ビッグネーム「インテグラ」320馬力で日本復活!? 「東京オートサロン2026」のホンダブースで異彩を放ったアキュラ「インテグラ タイプS」の正体とは
「シビック タイプR」ゆずりの心臓を持つ“大人のスポーツ”
「東京オートサロン2026」のホンダブースでは、今後の商品展開の方向性を示す展示がおこなわれていましたが、その「スポーツライン」コーナーに、ひときわ注目を集めるモデルがありました。それが北米仕様のアキュラ「インテグラ タイプS」です。
日本では20年ほど前にその名が途絶えた「インテグラ」ですが、北米ではプレミアムスポーツとして独自の進化を遂げてきました。今回、あえて左ハンドルのまま展示されたこのモデルには、どのようなメッセージが込められているのでしょう?
現在、北米市場で展開されている「インテグラ タイプS」は、現行型「シビック タイプR」とプラットフォームおよびパワートレインを共有する兄弟車です。
心臓部には、定評ある2リッター直列4気筒VTECターボエンジンを搭載。北米仕様のスペックは最高出力320馬力で、「シビック タイプR」と同等のハイパフォーマンスを誇ります。なおトランスミッションは、6速MTのみという硬派な仕様です。
最大の特徴は、「シビック タイプR」がサーキットでの速さを追求したピュアスポーツであるのに対し、「インテグラ タイプS」は公道での洗練されたスポーツドライビングに軸足を置いている点。“アダプティブ・ダンパー・システム”も専用チューニングで、よりしなやかで上質な乗り味が追求されています。
プレミアムブランドのアキュラ車らしく、上質なレザーや高性能オーディオシステムを備えたラグジュアリーな空間に仕立てられたインテリアも、そうしたコンセプトに沿った仕立てといえます。

今回、ホンダが「インテグラ タイプS」を展示した狙いは、大きく分けてふたつ考えられます。
ひとつは、ホンダが新たに打ち出した「スポーツライン」を象徴するモデルであること。「東京オートサロン2026」において、ホンダはHRC(ホンダ・レーシング)の知見を市販車に反映させる戦略を明らかにしました。北米でモータースポーツのベース車としても活躍する「インテグラ」は、そのアイコンとして最適な存在だったといえます。
もうひとつは、純粋な“市場調査”でしょう。かつての「インテグラ」を知る世代だけでなく、新しいスポーツセダンを求める層が新世代のアキュラ車にどんな反応を示すのか。その熱量を測る“観測気球”の役割を果たしていたといえます。
背景についてはさまざまな見方がありますが、日米の貿易バランスへの配慮といった政治的側面もあるのかもしれません。ホンダはオハイオ州にある北米工場で生産されるモデルを日本へ輸入するプランを検討中とウワサされていますが、今回展示された「インテグラ タイプS」も、その候補のひとつと見られています。
もし輸入が実現すれば、かつての「シビック クーペ」や「エレメント」のように、北米の空気感を漂わせるユニークなモデルとして、日本のスポーツカー市場に新たな選択肢を提示することになりそうです。
その場合、左ハンドルのまま導入されるのか? あるいは日本仕様にローカライズされるのか? 右ハンドル化となるとハードルは低くはありませんが、「東京オートサロン2026」でのクルマ好きの反応が、ホンダの背中を押すことになるかもしれません。
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