ダカールラリー2026で「ディフェンダー」が初参戦でクラス総合優勝を達成! その強さはどこからくる? 現地で実感した「走破性」と「快適性」「操縦性」の二律背反とは
なぜストック・クラスにこだわったのか
ディフェンダーがストック・クラスにこだわった理由も明確でした。
悪路走破性の点において、ディフェンダーが世界トップクラスにあることはご存じのとおりです。今回、私はディフェンダーに招待されてダカール・ラリーのスタートの模様を取材してきましたが、それとともにディフェンダーで砂漠を走る機会にも恵まれました。

砂漠とひとことで言っても、その路面は実にさまざまです。
一般的に私たちが「砂漠」と聞いて思い起こすサラサラとした砂がどこまでも続く砂丘は、そうした砂漠のごく一部で、実際には土が硬く引き締まっていたりゴツゴツとした岩が突き出している路面が少なくありません。
そうした様々な路面をディフェンダーはなんの不安も感じさせずに走り抜いただけでなく、アスファルトで舗装された路面では快適な乗り心地と正確なハンドリングをもたらしてくれました。
つまり、オフロードでの優れた走破性にくわえて、オンロードでの快適性や操縦性も高い次元でバランスさせている点にこそ、ディフェンダーの最大の特徴なのです。

なぜ、ディフェンダーはこのような二律背反を実現できているのでしょうか?
まず、オンロードでの快適性と操縦性に関していえば、モノコックボディや4輪独立懸架式サスペンションを用いた効果といって間違いありません。
ちなみに、モノコックボディはクロスカントリー4WDで一般的なラダー・フレーム式ボディーに比べて捻り剛性が高く、これが乗り心地や操縦性の改善に貢献するといいます。また、4輪独立懸架式サスペンションは、いわゆるバネ下重量の軽減に効果があるので、これも乗り心地に効くほか、ロードホールディング性、すなわち操縦性の改善にも役立ちます。
ただし、モノコックボディや独立懸架式サスペンションは、耐久性や悪路走破性の点で不利とされるため、これまでクロスカントリー4WDにはあまり使われてきませんでした。しかし、ディフェンダーは長年の経験と入念な開発により、モノコックボデ
ィーや独立懸架式サスペンションを用いながら優れた耐久性や悪路走破性を実現。そして今回はそのことを証明するために、ダカール・ラリーに参戦したのです。
なお、ディフェンダーがダカール・ラリー参戦のために開発した車両は「ディフェンダーD7X-R」と呼ばれます。ちなみにD7Xはベースとなった市販型ディフェンダーの社内コードだそうです。
つまり、D7X-Rというモデル名は市販車との結びつきの強さを強調するために考えられた名称で、事実、モノコックボディは市販車の生産ラインから取り寄せたもので、エンジンとギアボックスはディフェンダーのフラッグシップモデルである“OCTA”用をそのまま用いているといいます。
2週間、およそ8000kmを走っての結果は、冒頭で記したとおりディフェンダーの初参戦にして初優勝という見事なものでした。それどころか、クラス2位にもディフェンダーが食い込んだほか、4位にはダカール・ラリーのレジェンドといわれるステファン・ペテランセルが入りました。
実はペテランセル、優勝したチームメイトのロカス・バチュスカと途中まではトップ争いを繰り広げていたのですが、ラリー10日目にオルタネーター(発電機)のトラブルにより大きく遅れて4位となりました。それでもライバルの3台を凌ぐタイムでフィニッシュしたのですから大健闘といって間違いありません。
※ ※ ※
なお、今回のダカール・ラリーは世界ラリーレイド選手権(W2RC)の開幕戦で、今後はポルトガル、アルゼンティン、モロッコ、アブダビと転戦してシリーズチャンピオンを決定します。今後のディフェンダーの活躍が楽しみです。
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