1050馬力の最パフォーマンスモデルなのに「扱いやすくて快適」!? フェラーリ新型「849テスタロッサ」に乗ってわかった“新感覚のドライビング”とは?
6軸センサー搭載の新開発「FIVE」導入で安定性が大幅に向上
フェラーリと聞くとすべてがスーパースポーツカーのように思えてしまいますが、当然のことながら、モデルごとのキャラクター設定はしっかり異なっています。
たとえば昨年12月に国際試乗会が行われた「アマルフィ」は、フェラーリのなかではもっとも穏やかな性格で、乗り心地も快適。
そういいながらも、0−100km/h加速は3.3秒で最高速度は320km/hと発表されているのですから、やはり血は争えないというべきでしょうか。
アマルフィのように快適で実用性も高いモデルのことを、フェラーリは“スポーツカー”と称しています。
ここからパフォーマンスが高くなる順に「プロサングエ」、「12チリンドリ」、「296」と続いていて、アマルフィからいちばん遠いポジションに位置しているのが「SF90」。
フェラーリは、SF90や296のようなモデルのことを“ピロート(パイロット)カー”と呼んでいます。
つまり、数あるフェラーリのラインナップのなかでも、カタログモデルとしてもっとも優れたパフォーマンスを備えていたのがSF90なのです。
なぜ、私が「備えていた」と過去形で紹介したかといえば、SF90の後継モデルがデビューしたから。それが、ここで紹介する849テスタロッサです。

言い換えれば、フェラーリの現行モデルでもっともパフォーマンスの高いピロートカーが849テスタロッサということになります。
3モーター方式のプラグインハイブリッドシステムをSF90から譲り受けた849テスタロッサは、システム出力でなんと1050psを発揮します。
このうち、その心臓部というべきV8 4.0リッター・ツインターボエンジンから生み出されるパワーは830psにも達します。
ちなみに、先代のSF90はエンジン出力が780psでシステム出力は1000psちょうど。つまり、SF90から849テスタロッサのシステム出力の伸び分は、すべてエンジンのパワーアップによって成し遂げられたことになります。
もともと“エンジン屋”として誕生したフェラーリのプライドが、このスペックに表れているような気がします。
849テスタロッサには、パワーアップしたのに車重は増えていないとか、ダウンフォースが25kg増えて415kg(250km/h走行時)になったとか、滑りやすい路面でのABS制御がより緻密に行われるABS evoを装備したなど、たくさんの特徴がありますが、なによりも注目すべきはFIVE(フェラーリ・インテグレーテッド・ビークル・エスティメーター)が搭載されたことといっていいでしょう。
FIVEは、前後、左右、上下といった直線的な加速度にくわえ、X軸、Y軸、Z軸の回転モーメントも計測できる6Dセンサーを採用することにより、車両の状態をこれまでにない精度で計測。これをもとに、クルマがどのような挙動を示すかを推測するとともに、トラクションコントロール、電子制御ディファレンシャル、ハイブリッドシステムによるトルクベクタリングなどを制御し、より効率的でスムーズなドライビングを可能にするシステムです。

こうして言葉で説明すると、実際のところどんな役割を果たしてくれるのかわかりにくかもしれませんが、スペイン・セビリア地方で行われた国際試乗会に参加したところ、「なるほど、これがFIVEの効果か!」と思えることがたくさんあったので、ご紹介しましょう。
page
- 1
- 2
VAGUEからのオススメ
海と向き合い、自らを再起動する――プロセーラーが語る、シチズン「プロマスター」で“限界を超える”意味とは【PR】