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42年前の「ナナハンキラー」を米国オークションで発見 “キング” ケニー・ロバーツ仕様の2スト・スポーツ ヤマハ「RZ350」の令和での価値とは

ケニー・ロバーツ仕様の希少個体が1万4300ドルで落札

 今回オークションに出品された個体は、1984年式の北米仕様モデルです。

米国オンラインオークションに登場、落札された1984年式ヤマハ「RZ350 ケニー・ロバーツ・エディション」
米国オンラインオークションに登場、落札された1984年式ヤマハ「RZ350 ケニー・ロバーツ・エディション」

 この個体の最大の特徴は、「ケニー・ロバーツ・エディション」と呼ばれる特別な仕様である点です。

 ケニー・ロバーツ氏は、ヤマハのワークスマシンを駆り、ロードレース世界選手権(WGP)で輝かしい成績を収めた伝説的なアメリカ人ライダーです。

 このモデルには、彼の活躍を象徴する「コンペティションイエロー」と「ヤマハブラック」のストロボカラー(スピードブロック)が採用されています。

 鮮やかなイエローにブラックのラインが走るそのデザインは、当時のレースシーンを知るファンにとっては特別な意味を持つカラーリングといえます。

 外観上の特徴として、日本国内の初期型RZ350とは異なり、北米仕様にはビキニカウル(クォーターフェアリング)が標準装備されています。

 また、エンジン下部にはアンダーカウルも装着されており、よりレーシーな雰囲気が強調されています。

 今回の個体は、テキサス州のオーナーによって長年大切に保管されてきた車両です。

 走行距離は5桁のオドメーターが約2万2000マイル(約3万5400キロ)を示しており、年式を考慮すれば適度に乗られてきた個体といえます。

 エクステリアの状態については、フェアリングに擦り傷があり、ウインドスクリーンやチンスポイラーに亀裂が見られるなど、経年相応の使用感は確認されます。

 しかし、タンクやサイドカバーの塗装は依然として艶を保っており、イエローとブラックのコントラストは鮮明です。

 足元には、ゴールドに塗装された18インチのキャストホイールが装着されています。

 タイヤはシンコー製のSR712が組み合わされており、ブラックの車体下部とゴールドのホイールが華やかな印象を与えています。

 搭載されるエンジンは、347ccの水冷2ストローク並列2気筒で、ヤマハ独自の排気デバイス「YPVS(ヤマハ・パワー・バルブ・システム)」を装備しています。

 これにより、2ストローク特有のピーキーさを抑えつつ、低回転域から高回転域までスムーズな加速を実現しています。

 さらに、この個体には「Toomey」製のデュアルエキゾーストシステムが装着されています。Toomeyのチャンバーは、RZ350のパフォーマンスを引き出す定番のカスタムパーツとして知られており、2ストロークらしい乾いた排気音が期待できます。

 そして、メンテナンス履歴としては2003年頃にエンジンのトップエンド(腰上)のオーバーホールが行われたとの記録があります。

 また、出品にあたりキャブレターの分解洗浄やバッテリーの交換などが実施されており、機関のコンディションは維持されているといいます。

 コクピット周りには、120マイル(約190キロ)スケールのスピードメーターと、レッドゾーンが9500回転から始まるタコメーターが並びます。水温計もタコメーター内にビルドインされており、当時のレーサーライクな機能的なレイアウトが確認できます。

 なお、今回のオークションでは33件の入札を集め、最終的な落札価格は1万4300ドル(約215万円)でした。

 この価格は、北米におけるRZ350、特にケニー・ロバーツ仕様の人気の高さを如実に物語っているといえます。

※ ※ ※

 環境規制により2ストロークエンジンが姿を消して久しい現在、RZ350のようなピュアスポーツモデルの価値は年々上昇傾向にあります。

 特に、伝説的なライダーの名を冠し、象徴的なカラーリングをまとった「ケニー・ロバーツ・エディション」は、単なる乗り物としての枠を超え、歴史的な遺産としての側面も持ち合わせています。

 今回の個体はオリジナル性を保ちつつ、実走行に耐えうるコンディションを維持している点が評価されました。

 コレクションとしてはもちろん、走らせてこそ真価を発揮する一台といえる存在です。

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Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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