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耐久レースにも参戦した「F40」を発見 10数年もの間 納屋に放置され忘れられていたレーシング仕様の貴重なフェラーリとは

レース参戦後は放置され2012年に再発見されるまで忘れられた存在に

 2026年4月にモナコで開催されるRMサザビーズ主催のオークションに、1990年式フェラーリ「F40」コンペティション仕様が出品される予定です。

 どんなクルマなのでしょうか。

 1990年代のGTレースの熱狂を象徴する存在として、フェラーリF40のコンペティツィオーネ仕様は特別な輝きを放っています。

 なかでも「F40 LM」や「GT」、「GTE」といったモデルは、もともと過激なスーパーカーであったF40をさらに進化させ、国際レースの舞台で戦うために生み出されました。

 これらのマシンは、マクラーレン「F1 GTR」やポルシェ「993 GT2」といった名車とともに、BPRグローバルGTシリーズなどで激しい戦いを繰り広げました。

 このプロジェクトを主導したのは、フェラーリのパートナーであるジュリアーノ・ミケロット率いるエンジニアリングチームです。

 初期の19台はフェラーリから供給された新車シャシをもとにLM仕様へと仕立てられましたが、その後はプライベーターによる改造車も登場しました。今回出品予定のシャシ番号84326もその1台であり、独自の進化を遂げた個体として注目されます。

オークションに出品予定の1990年式フェラーリ「F40」コンペティション仕様Paolo Carlini(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品予定の1990年式フェラーリ「F40」コンペティション仕様Paolo Carlini(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's

 1990年にドイツで新車登録されたこの車両は、当初はロードカーとして使用されていましたが、1994年にハーマン・モータースポーツによって大幅な改造が施されます。

 開発にはザウバーF1チームの創設者であるペーター・ザウバーも関わり、エンジンには強化されたツインターボが装着され、最高出力は最大700馬力に達したとされています。外観や足まわりもレース仕様に改められ、走行性能は大きく向上しました。

 その後、この車両は1996年のBPRシリーズに参戦しますが、資金や信頼性の問題により結果は限定的にとどまりました。やがてイギリスへ渡った後は長らく放置され、2012年に再発見されるまで忘れられた存在となっていました。

 再生を託されたのは、フェラーリ専門工房モト・テクニークです。

 車両は深刻な損耗状態にあり、足まわりや燃料系、電装系に至るまで全面的な修復が必要でした。これを受けてプロジェクトは単なる修理から完全レストアへと発展し、ミケロットから供給された部品や最新技術を用いて、徹底的な再構築が行われました。

 ボディは本来のカーボンケブラー構造で再製作され、エンジンも専門企業によって完全にオーバーホールされました。さらに現代的な制御システムが導入され、550馬力から720馬力まで出力を調整できるようになっています。

 こうして完成した車両は、当時の雰囲気を色濃く残しながらも、信頼性と性能を高次元で両立しています。

 レストア後には専門誌の表紙を飾るなど高い評価を受け、F40 LMの精神を現代に伝える存在として再び脚光を浴びました。迫力あるスタイリングと圧倒的なパフォーマンスを備えたこの1台は、1990年代GTレースの魅力を体現する貴重な存在であり、コレクターにとっても極めて価値の高いモデルといえるでしょう。

 このハマンモータースポーツ製の1990年式フェラーリ「F40」コンペティション仕様、落札予想価格は225万ユーロから275万ユーロ(1ユーロ=184.3円換算で、日本円で約4億1472万円から5億688万円)とされています。

Gallery 【画像】超カッコいい! レース仕様の1990年式フェラーリ「F40」を写真で見る(32枚)
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