都内の喧騒から標高1,050mの「神話の地」へ――メルセデスGLBが叶える、脳のノイズを消す“スイッチング・ドライブ”とは
効率化された社会で、なぜ私たちは息が詰まるのか
AIだ、タイパだともてはやされる昨今。テクノロジーの進化によって、私たちの仕事はかつてないほど劇的に効率化された。しかし、それで「豊かな余白」が生まれたかといえば、答えはノーだ。
空いた時間はすかさずスマホの通知と新たなタスクに埋め尽くされる。どこにいても連絡がつき、常に情報に追い立てられ、交感神経は24時間フル稼働。これが、現代のビジネスパーソンのリアルな姿だろう。正直言って、息が詰まる。
こんな時代に最後に問われるのは、「人間が五感で感じるアナログな歓び」ではないか。強制的にデジタル空間から離れ、張り詰めた自律神経の電源をオフにする「リトリート(転地療養)」が、我々にはどうしても必要なのだ。

今回、そのエスケープ先として選んだのは、長野県松本市の深い森に佇む「扉温泉 明神館」。1931年の創業以来、古くから神々が湯治に通ったと伝わる渓谷で、訪れる人々の心身を癒やし続けてきた場所である。
特筆すべきは、世界的権威である「ルレ・エ・シャトー」に加盟しているだけでなく、環境に配慮した施設に与えられるエコラベル「グリーンキー」を2009年に日本で初めて取得している点。

単なる贅沢ではなく、自然と調和し、その土地ならではの感覚(Sense of Place)を味わえるサステナブルな滞在。まさに今の気分にぴったりな「和のウェルネスリゾート」である。
ディーゼルとGLBがもたらす「移動のウェルネス」
旅の相棒には、メルセデス・ベンツのSUV「GLB」のクリーンディーゼルモデルを引っ張り出した。都内から松本までは片道約230km。
都内の渋滞を抜け、中央自動車道へ。アクセルを踏み込んだ瞬間、ディーゼル特有の分厚いトルクがグンと車体を押し出す。かつてのディーゼル車のようなガラガラとした騒音は微塵もなく、キャビンを包むのは拍子抜けするほどの静寂。

実際にステアリングを握って痛感したのは、長距離を走っても「運転疲れ」が驚くほど少ないことだ。
四十路も半ばを過ぎた腰をしっかりホールドしてくれる革張りシートの恩恵もあるが、高速域でも車体が一切フラフラしない。メルセデスならではの強靭なボディ剛性がもたらす、絶対的な安心感。
さらに言えば、最新のクリーンディーゼルは満タンにすれば無給油で長野を余裕で往復できる。
環境への配慮などからEV(電気自動車)への注目度が高まりつつあるが、見知らぬ山奥で「充電スポットはどこだ」とスマホを睨む行為は野暮というもの。
インフラ探しに神経をすり減らさないでいい安心感は、思いのほか心に豊かな余白を生み出してくれる。

日々のデスクワークで「デジタル空間」にばかり偏っていた意識が、ステアリングやシートから伝わるアナログな物理的フィードバックによって、徐々に現実の身体感覚へと引き戻されていく。
外界の騒音を遮断し、デジタル疲れした脳をアイドリング状態へと導く「動くマインドフルネス空間」。これこそが、VAGUEの考える「モノが日常を最適化する」というウェルネスの形だ。

標高1,050mの胎内環境。徐々に「オフ」になっていく自分
松本インターチェンジを降りて、薄川(うすかわ)沿いの山道へと入っていく。ここから明神館までは、緑深い渓谷を縫うように走るワインディングロード。
「扉温泉」という名の通り、ここは天照大神が隠れた天岩戸を、神々が戸隠へと運ぶ途中にひと休みしたという神話が息づく地。
神話だのパワースポットだのと聞くと少し大げさに聞こえるかもしれないが、人はそうした土地に立つと、直感的・根源的に自らのルーツのようなものを確認したくなる生き物らしい。
明神館が掲げるウェルネスの要素のひとつ「伝(神話と伝承)」が、この土地の持つ見えないエナジーを感じさせてくれる。

宿へ近づくにつれ、急な上り坂やタイトなカーブが連続するが、GLBは涼しい顔で標高を上げていく。背の高いSUVなのに視点がブレない安定感は、三半規管への余計なストレスを見事に消し去ってくれた。
目的地である明神館は、標高約1,050メートル。実はこの気圧環境、母親の胎内と同じに近く、人間が最もリラックスできる環境なのだそうだ。

到着の少し手前で、あえてパワーウィンドウを全開にしてみた。車内に流れ込んでくるのは、都会のむせ返るようなそれとは全く違う、冷涼で澄み切った山の空気。鳥のさえずりと、渓流のせせらぎがダイレクトに耳に飛び込んでくる。
その瞬間。東京を出発してからずっと頭の片隅で鳴り続けていた「仕事モード」のスイッチが、カチリと音を立ててオフに切り替わったのがわかった。
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