007のボンドカー「DB5」にワゴンなんてあったの!? 当時のアストン総帥デイビッド・ブラウン卿が作らせた60年前の「DB5シューティングブレーク」の価値は
世界に12台しか作られていない希少なシューティングブレーク
2026年6月に開催されるRMサザビーズの「Sealed Drop」オークションにおいて、1966年式のアストンマーティン「DB5 シューティングブレーク by ラドフォード」が出品される予定です。
どんなクルマなのでしょうか。
映画「007」シリーズで知られる名車DB5をベースに、英国の名門コーチビルダーであるラドフォードが特別製作した極めて希少なモデルで、その歴史的価値から世界中のコレクターの注目を集めています。
DB5シューティングブレーク誕生のきっかけは、当時アストンマーティンを率いていたデイビッド・ブラウン卿の一言だったと伝えられています。
狩猟やポロを趣味としていた同氏は、愛犬や装備品をDB5に積み込むため、より実用性の高いモデルを求めました。その要望を受けて製作されたワンオフ車が好評を博し、顧客向けにも少数生産されることになったのです。
生産台数はプロトタイプを除きわずか12台とされ、そのうち左ハンドル仕様は4台のみといわれています。現在では通常のDB5以上に希少な存在として扱われており、「最も価値の高いシューティングブレークのひとつ」とも評価されています。
ベースとなったDB5は、4リッター直列6気筒DOHCエンジンを搭載するグランドツアラーです。
最高出力は約282bhp(約286馬力)を発生し、高速巡航性能と快適性を両立。当時のラドフォードによる改造では、フロントウインドウ後方の車体構造を大幅に変更し、延長されたルーフと大型テールゲートを装着しました。
これにより荷室容量は大幅に拡大され、スポーツカーでありながら高い実用性を備えています。

また、シューティングブレーク化されたにもかかわらず、最高速度は約240km/h(150mph)を維持したとされ、アストンマーティンらしいパフォーマンスも失われていませんでした。後席を倒すことで大容量のラゲッジスペースを確保できる点も大きな特徴でした。
今回出品される個体の詳細仕様は限定的ですが、ラドフォードが手がけたオリジナルのDB5シューティングブレークであることから、その価値は極めて高いとみられています。
過去には同型車がRMサザビーズのモントレーオークションで176万5000ドル(当時約1億9000万円超)で落札された実績もあり、近年のクラシックカー市場の高騰を考慮すると、今回も高額落札が期待されています。
近年、自動車愛好家の間ではシューティングブレーク人気が再燃しており、SNSやコミュニティサイトでも「世界で最も美しいワゴンのひとつ」と称賛する声が数多く見られます。特にDB5 シューティングブレークは、007で有名なDB5の優雅なデザインと実用性を融合した唯一無二の存在として高く評価されています。
アストンマーティンの歴史の中でも特別な位置を占めるDB5シューティングブレーク。わずか12台しか製造されなかった希少性に加え、デビッド・ブラウン氏の発想から生まれた物語性も備えており、今回のオークションでも世界中のコレクターによる激しい争奪戦が繰り広げられそうです。
予想落札価格は80万ポンドから100万ポンド(1英国ポンド=214.7円換算で、約1億7175万円から2億1468万円)とされています。
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