「えっ!?」フェラーリにMTが復活? 新型「12チリンドリ・マヌアーレ」世界初公開 限定1499台に与えられる“操る感覚”の中身とは
Dレンジを選べばマニュアルでシフトせずに走行することも可能
果たして、フェラーリはどうやって、従来は不可能とされてきたことを可能にしたのでしょうか?

その答えは、ある意味でシンプルでした。
12チリンドリ・マヌアーレも既存の12チリンドリと同じ8速DCTを積んでいます。したがってDレンジを選べばマニュアルでシフトせずに走行することも可能。先ほど申し上げた2.9秒の加速タイムは、おそらくこのDレンジで達成したものです。
では、新たに追加されたシフトレバーとクラッチはいつ活躍するのでしょうか?
センターコンソール上には、フェラーリの歴代マニュアルモデルと同じ銀色に輝くシフトゲートが設けられています。その後ろに見える「R」「N」「D」「L」と4つ並んだボタンのうちの「D」を押すとマニュアルモードとなり、シフトレバーでギアを選択
し、クラッチペダルでクラッチを断続できるようになるのです。
ただし、だからといって12チリンドリ・マヌアーレはギアボックスを積み替えたりはしません。その代わりに、もともと搭載されている8速DCTのシフトやクラッチを、コクピット内のシフトレバーやクラッチペダルでコントロールできるように制御が切
り替わるのです。
つまり、8速DCTの変速機やクラッチを、いわゆるバイ・ワイヤ方式でコントロールしているのです。これが12チリンドリ・マヌアーレの真髄であり、最大の秘密なのです。
ただし、バイ・ワイヤと聞いた瞬間にガクッとなるクルマ好きは少なくないでしょうね。なにしろ、MTモデルはシフトレバーが次のギアに吸い込まれていくような感触が最大の魅力といっても間違いありません。
それが、安っぽいテレビゲームのコントローラーみたいにガチャガチャと軽々しく動いてしまったら、興ざめもいいところです。
でも、ご安心ください。フェラーリはそこのところを完全に理解していますので!
いまも申し上げたとおり、シフトレバーのように見えるものは、8速DCTを司るコンピューターに信号を送るスイッチに過ぎませんが、フェラーリはこのメカニズムを支える土台を頑丈のスチールの塊から削りだし、この上ない剛性感を生み出しています。
また、シフトレバーを押し込んだり手前に引いたときの力の変化は、2組の偏心カムとスプリングという純粋なメカニズムで再現。したがってシフトレバーを動かしたときの反力感や、シフトレバーがすーっとギアに吸い込まれていくときの感触は、ホンモノのシフトレバーとうりふたつ。同じことはクラッチペダルについてもいえます。

しかも、雑にシフト操作をすればクルマがガクガクと前後に揺れたり、最悪の場合にはエンジンがストールしちゃうほどホンモノのそっくりの反応を示してくれるとか。ただし、ミスシフトするとエンジンがオーバーレブして壊れる恐れがあるので、こ
こだけは安全機構が盛り込まれているそうです。
いかがですか? 12チリンドリ・マヌアーレ、面白そうでしょ? しかも、シフトレバーとクラッチペダルを追加しても車重増はたったの5kgに抑えられているので、動力性能はベースモデルの12チリンドリとすべて同じという点も魅力的です。
ただし、12チリンドリ・マヌアーレは1499台の限定生産。したがって、まずは長年のフェラーリ・ファンの皆さまだけで完売になってしまうでしょうが、同じバイ・ワイア・システムを用いたマヌアーレ(イタリア語でマニュアルの意味)が今後追加さ
れる可能性は十分にある模様なので、次のチャンスに期待することにしましょう!
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