「えっ!?」フェラーリにMTが復活? 新型「12チリンドリ・マヌアーレ」世界初公開 限定1499台に与えられる“操る感覚”の中身とは
フェラーリが「MTモデルを作らない」と言い続けてきた理由
MTモデルの最新フェラーリがデビューすると聞いて、心底驚きました。
なにしろ、これまでフェラーリはその可能性を何度も否定してきたからです。
もう少し詳しくご説明しましょう。
たとえば、イタリア・マラネッロのフェラーリ本社で新型車の説明会があったとします。その最後に質疑応答が行われると、何回かに1回の割合で「フェラーリはもうMTモデルを作らないのか?」という質問がメディア関係者から出てきます。これに対してフェラーリのマーケティング担当者や技術開発責任者は、決まって「ノー」と答えてきました。
理由は明快です。「MTでは現在のフェラーリの性能をフルに引き出すことができない」というのです。

たしかに、そのとおりでしょう。
一例を挙げると、最高出力830psの6.5リッターV12自然吸気エンジンを積んだドーディチ(=12)チリンドリの0-100km/h加速は2.9秒と発表されています。もしも12チリンドリがMTで、100km/hまでに1速から2速にシフトアップしなければいけないとすれば、どんなにギアチェンジが速いドライバーでも0.2〜0.3秒はロスするでしょう。
そして一般のドライバーであれば0.5秒ロスしても不思議ではありません。その瞬間、2.9秒だった加速タイムは3.2秒に、ひょっとしたら3.4秒になってしまいます。つまり、MTにするとパフォーマンスの低下が起きるのです。
最近、フェラーリは少し方針転換をして、単純な加速タイムやラップタイムよりもドライバーが味わうスリルや興奮をより重視するようになっていますが、だからといってパフォーマンスを軽視し始めたわけではありません。あくまでもトップクラスのパフォーマンスを実現したうえでドライバーが感動できるスポーツカーを作り出す。これが現在のフェラーリの方向性といって間違いありません。
だからこそ、フェラーリは「MTモデルを作らない」と言い続けてきたのです。
ところが、先ごろ公開された12チリンドリ・マヌアーレはシフトレバーとクラッチペダルを備えた立派なMTモデル。しかも、発表されたデータを見ると、0-100km/h加速は2.9秒で8速DCTを積んだベースモデルの12チリンドリとまったく同じタイムです。
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