「えっ、もう登場から21年も経つんだっけ…」世界限定50台 公道を駆けるレーシングカー「MC12」をオークションで発見 走行2024キロの極上マセラティの価値とは
フェラーリ「エンツォ」をベースに開発
21世紀のスーパーカーの歴史において、マセラティがモータースポーツへの華麗なる復帰を果たすために生み出した伝説のハイパーカーが、RMサザビーズのオークションに姿を現しました。
2005年式マセラティ「MC12」。公道仕様のロードカーとして世界でわずか50台のみが限定製造された、同社の歴史の中で最も稀少かつ記念碑的なモデルです。
マセラティMC12は、当時マセラティの親会社であったフェラーリのフラッグシップ「エンツォ・フェラーリ」のシャシやエンジン、トランスミッションといった主要なコンポーネントをベースに開発されました。
しかし、このクルマの誕生理由はフェラーリとはまったく異なっていました。MC12は、当時のFIA GT選手権に参戦するためのホモロゲーション(車両公認)を取得することを目的に生まれた、実質的な「公道を走れるレーシングカー」でした。
そのため、風洞実験を繰り返して導き出されたボディは、ベースとなったエンツォよりも全長が長く全幅も広い、大迫力のロングテール・スタイリングへと変貌を遂げました。
デザインは名匠ジョルジェット・ジウジアーロのアイデアをもとにアレンジされ、取り外し可能なタルガトップルーフを採用している点が大きな特徴です。
流麗なカーボンファイバー製のボディは、マセラティの輝かしいレースの歴史へのオマージュとして、伝統的な「ビアンコ・フージ(ホワイト)」と「ブル・ヴィクトリー(ブルー)」の鮮やかなツートーンカラーで彩られています。背後にミッドシップマウントされる6リッターV型12気筒自然吸気エンジンは最高出力632馬力を発生。マセラティ・カンビオコルサ(6速セミオートマチック・トランスミッション)を介して、最高速度330km/h以上という驚異的なパフォーマンスを誇ります。

このロードカーとしてのMC12の生産によって無事に公認を得たレース仕様の「MC12 GT1」は、その後のFIA GT選手権で圧倒的な強さを発揮しました。
複数のチームチャンピオンシップやドライバーズタイトルを獲得し、マセラティのモータースポーツ黄金期を再来させた立役者となったのです。つまり、今回出品された公道仕様の50台は、その輝かしい勝利の歴史をストリートへとそのまま持ち込んだ直接の血統にほかなりません。
今回オークションに出品予定のシャシ番号17558は、MC12の最終生産モデルのひとつで、車両番号「41」として記載されています。このモデルはアジアのVIPに割り当てられ、マセラティ・フランスで新車として納車されましたが、すぐに香港のオーナーに送られています。
2006年3月時点で新車時からわずか1375kmしか走行しておらず、現在の走行距離(カタログ作成時点で2024km)の大部分は新車購入後1年以内に走行したものであることがわかります。
電子制御が完全に主流となった現代のハイパーカーとは異なり、カーボンモノコックシャシがもたらすスパルタンな剛性感、そして自然吸気V12エンジンが奏でるダイレクトな咆哮は、自動車史のひとつの到達点として世界的に神格化されています。
この2005年式マセラティ「MC12」、予想落札価格などは発表されていません。
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