半世紀以上前に世界最速を目指して開発された“じゃじゃ馬”を米国オークションで発見 2スト特有の白煙も懐かしいカワサキ「H1マッハIII」の魅力とは
世界最速を目指して開発された並列3気筒モデル、マッハIIIの系譜
2026年5月、アメリカのオークションサイト「Bring a Trailer」において、1974年式のカワサキ「H1 マッハ III」が出品されました。
このモデルは、1960年代後半から1970年代にかけて世界最速を目指して開発された、2ストロークスポーツバイクの代表格です。
1969年にデビューを果たした初代は、北米市場を中心に人気を博しました。
開発当時、世界最速を目指す「N100計画」のもとで、新しい技術への挑戦が行われました。
その結果として選択されたのが、デザイン上のインパクトも大きい空冷2ストローク並列3気筒というエンジンレイアウトです。

この3気筒という構成は、当時の2ストローク技術における性能追求の結実でもありました。
特徴的なデザインとしては、左右非対称に配置された3本のマフラーや、初期モデルに見られたフューエルタンクの形状が挙げられます。
とくに3本のマフラーから排出される白い煙と特有の排気音は、当時のライダーに強い印象を与えました。
また、技術的な側面においては、総排気量498ccのエンジンから最高出力60psを発生させる性能を有していました。
この数値はリッターあたりに換算すると120psに達する高出力であり、当時の0-400m加速で13秒という目標をクリアしました。
トランスミッションには5速トランスミッションが組み合わされ、軽量な車体と相まって時速190キロメートル以上の最高速度を達成しました。

また、強大なパワーを受け止めるために、2本のパイプで補強されたダブルクレードルフレームが新設計されました。
さらに、低速時におけるプラグのかぶりを防止するため、当時の最先端技術であったCDI点火システムが採用されたことも特徴です。
その後、モデルチェンジを重ねる中でフロントブレーキのディスク化などが行われ、1974年式のH1F型へと進化を遂げました。
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