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“ただの原チャリ”じゃない! F1パドックを走り回ったBARホンダチームの「スクーター」を発見 J・バトン選手も移動に使った愛車とは

この値段なら買えたのに!

 世界的なオークションハウス「RMサザビーズ」が2026年7月にイギリスで開催した「ウッドコート・パーク・オークション」において、最高峰のモータースポーツであるF1の現場の熱気をそのまま現代に伝えるユニークなコレクターズアイテムが出品され、ファンの注目を集めました。

 それが、2003年式ホンダ「SZX50 BAR ホンダ F1パドック スクーター(シャシ番号:AF53-5300405)」です。

 このスクーターは、BAR(ブリティッシュ・アメリカン・レーシング)ホンダが2003年から2004年頃のF1シーズンにパドック内で使用していたとされる1台です。

オークションに出品され落札された2003年式「ホンダSZX50 BARホンダF1パドックスクーター」Simon Clay(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品され落札された2003年式「ホンダSZX50 BARホンダF1パドックスクーター」Simon Clay(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's

 2000年代初頭のF1は、自動車メーカー各社が自社の技術力を極限まで競い合っていた時代でした。広大なパドックやサーキット内を分刻みのスケジュールで移動しなければならないドライバーやメカニック、チームスタッフにとって、信頼性が高く小回りが利く移動手段は、コンディションを維持するために必要不可欠なギアでした。

 その移動を支えるために白羽の矢が立ったのが、ホンダが欧州市場などで展開していた50ccのスポーツスクーター「SZX50(別名:X8R-S)」です。

 このモデルは、欧州の厳しい道路事情や石畳に対応するために、50ccクラスでありながら優れた剛性を持つツインチューブアルミフレームや、路面の追従性に優れたサスペンションシステム、前後ディスクブレーキを装備していました。心臓部には空冷2ストローク単気筒エンジンを搭載し、毎日の激しいパドックワークでもへこたれない優れた耐久性と、俊敏なフットワークを両立していました。

 本個体の一番の魅力は、当時のBARホンダのF1マシンがまとっていたグラフィックを忠実に再現した、ホワイト、ブラック、レッドを基調とするオフィシャルのレーシングカラーリングです。カウルにはお馴染みのホンダやチームのロゴマークが誇らしげに配置され、パドック内でも抜群の存在感を放っていました。

 BARホンダは1999年から2005年までF1に参戦したチームで、2003年シーズンには後に2009年のF1ワールドチャンピオンとなるジェンソン・バトン選手と、1997年ワールドチャンピオンのジャック・ビルヌーブ選手がドライブしました。

 翌2004年には日本人ドライバーの佐藤琢磨がレギュラー参戦し、アメリカGPで日本人として14年ぶりとなる表彰台を獲得するなど、日本のF1ファンにとっても記憶に残るチームとなっています。

オークションに出品され落札された2003年式「ホンダSZX50 BARホンダF1パドックスクーター」。J.バトン選手のサイン入りだSimon Clay(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品され落札された2003年式「ホンダSZX50 BARホンダF1パドックスクーター」。J.バトン選手のサイン入りだSimon Clay(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's

 このスクーターは、一般に払い下げられた個体とは異なり、実際にF1の戦いの最前線であるチームパドックで使用されていたという確たるヒストリーは、F1コレクターやホンダファンにとって計り知れない歴史的価値を持ちます。なおJ.バトン選手のサインも入っています。

 このメモリアルなスクーターの最終的な落札価格は、予想価格の500ポンドから1000ポンドを大きく上回り、最終的に4025ポンド(日本円で約85万円)となりました。

Gallery 【画像】こりゃ貴重だわ…J.バトン選手の愛車のホンダ・スクーターを見る(25枚)
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