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“世界一強い男”マイク・タイソンが愛したフェラーリを発見 最高時速は325キロ “ヘビー級”の走りを持つ「F50」の気になる落札予想は10億円超え?

走行距離は1万km未満の極上車

 フェラーリを代表する限定スーパーカーの一台、1995年式「F50」がRMサザビーズのモントレー・オークションに登場します。
 
 今回の個体は、349台のみが生産されたF50のうち、米国仕様として製造された55台の一台です。

 さらに初代オーナーが、元ヘビー級ボクシング世界王者の「アイアン」ことマイク・タイソンだったという興味深い履歴を持っています。

 F50は、1987年に登場したF40の後継モデルとして、フェラーリ創立50周年を記念して開発されました。

 開発には4年を費やし、F1マシンを思わせるカーボンファイバー製モノコックを採用。ボディもカーボンファイバーやケブラー、ノーメックス・ハニカムなどの複合素材で構成され、ピニンファリーナによる流麗なデザインをまといました。

 F50を特徴づけるのが、F1由来のV型12気筒エンジンです。4.7リッターの自然吸気V12は、フェラーリの1992年F1エンジンを起源とし、その後333 SPスポーツプロトタイプ用エンジンとして発展。ロードカー用に4.7リッターへ拡大され、最高出力513馬力、最大トルク347lb-ft(約470Nm)を発揮します。

 トランスミッションは6速MTで、エンジンをリアミッドに搭載します。F1を意識した設計思想はパワーユニットだけでなく、シャシやブレーキ、燃料システム、LCD式メーターパネルなどにも及んでいます。

 さらにF50は固定ルーフを持たず、着脱式のハードトップを採用。ルーフを外せばオープンカーとして楽しめるという、F40とは異なるキャラクターも魅力です。テストでは0-60mph(約97km/h)加速3.6秒、最高速度202mph(約325km/h)を記録しています。

 生産台数は「F40」よりも少ない349台。F50は、後の「エンツォ」、「ラ・フェラーリ」、「F80」などとともに、フェラーリの「ビッグ6」と呼ばれる歴代フラッグシップの一台に数えられています。

RMサザビーズ主催のオークションに出品される1995年式「F50」Robin Adams(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's
RMサザビーズ主催のオークションに出品される1995年式「F50」Robin Adams(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's

 今回のシャシナンバー「ZFFTG46A0S0104220」は、1995年11月から生産が開始され、1996年2月に完成した個体です。

 ボディカラーはフェラーリを象徴するロッソ・コルサ、インテリアはブラックにレッドのシートインサートという組み合わせです。米国仕様として55台だけが生産されたうちの一台で、349台中79番目に製造された個体となります。

 そして、このF50を特別なものにしているのがオーナー歴です。最初の個人オーナーとなったのがマイク・タイソンでした。1996年には、ヘビー級王座を取り戻したタイミングでこのF50を所有していたことになります。その後も複数のコレクターのもとで大切に維持され、2004年にはコンクール・デレガンスにも出展されています。

 2008年にはフェラーリ・クラシケの認証を取得。オリジナルのマッチングナンバー・エンジン、トランスアクスル、シャシ、ボディワークを備えていることが確認されています。

 カタログ掲載時の走行距離は6196マイル(約9963km)で、出品にあたってフェラーリ正規ディーラーによる大規模な整備も実施されました。純正ハードトップ、工具、取扱説明書、F50専用ラゲッジなども付属し、タイソンのサイン入りボクシンググローブまで残されています。

 RMサザビーズが掲げる予想落札価格は700万~900万ドルです。1ドル=150円で換算すると、約10億5000万円から13億5000万円という驚異的な水準になります。

 349台限定という希少性に加え、F1由来の自然吸気V12、6速MT、着脱式ハードトップ、フェラーリ・クラシケ認証、そしてマイク・タイソンという著名な所有歴を備えた今回のF50。予想レンジの上限にどこまで迫るのか、モントレーでの結果が注目されます。

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