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現存するF40の中でも もっとも低走行の「美しすぎるフェラーリ」が驚愕の値段で落札 予想額の“2倍以上超え”を達成した理由

走行わずか320マイル(約515km)のごく低走行車

 2026年8月13日から15日にかけて、モントレー・カーウィーク期間中に開催されたRMサザビーズ主催の「モントレー・オークション」で、1991年式フェラーリ「F40」が836万5000ドル(約12億5500万円)という驚異的な価格で落札されました。

 これは事前に予想されていた280万~320万ドル(日本円で約4億2000万~4億8000万円)というエスティメート(落札予想価格)の2倍を大きく上回り、F40のオークション史においても最高額クラスとなる結果です。

 今回の個体がこれほど高く評価された最大の理由は、わずか320マイル(約515km)という極端な低走行距離に加え、初代オーナーが米国自動車産業界の伝説的人物、リー・アイアコッカ氏だったことにあります。

オークションに出品され、836万5000ドル(約12億5500万円)で落札された1991年式フェラーリ「F40」Robin Adams(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品され、836万5000ドル(約12億5500万円)で落札された1991年式フェラーリ「F40」Robin Adams(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's

 F40は1987年、フェラーリ創立40周年を記念して発表されました。
 
 開発のルーツはFIAグループB参戦を想定して開発された「288 GTO」にあり、その進化型である「288 GTO Evoluzione」の技術を受け継いでいます。

 グループB計画が中止された後も開発は続けられ、最終的に公道を走る究極のスーパーカーとして完成しました。

 最大の特徴は、徹底した軽量化とレーシングカーに近い設計思想です。ボディにはカーボンファイバーやケブラーなどの複合素材を採用し、室内も快適装備を最小限に抑えています。

 心臓部には2.9リッターV型8気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高出力は471馬力。車重を約1100kgに抑えたことで、圧倒的なパワーウェイトレシオを実現しました。最高速度は201mph(約324km/h)に達し、市販車として初めて200mphを超えたモデルとしても知られています。

 そしてF40には、ほかのフェラーリにはない歴史的な意味があります。エンツォ・フェラーリが存命中に開発を見届けた最後のフェラーリだからです。快適性よりも速さを優先したそのキャラクターは、創業者が求めた「公道を走るレーシングカー」という思想を色濃く反映しています。

 今回のシャシナンバー「ZFFMN34A7M0087345」は、米国仕様として213台生産されたうちの94台目にあたります。さらに新車時のオーナーは、フォード「マスタング」の誕生にも大きく関わったことで知られるリー・アイアコッカ氏でした。納車時の保証書にもアイアコッカ氏の名前が残されており、専用の記念プレートも付属しています。

 その後も複数のオーナーによって大切に維持され、現在のオーナーは14年間にわたって所有。走行距離をわずか320マイルに抑えながら、定期的なメンテナンスも実施されてきました。

 出品前にはフェラーリ・オブ・ニューポートビーチによる大規模な整備も行われています。オーナーズマニュアルや工具、純正カバー、保証書など、新車時の付属品が揃っている点も評価を高めました。

 わずか320マイルという“新車に近いF40”に、リー・アイアコッカ氏という著名な初代オーナーのストーリーが加わったことで、今回のF40は単なる低走行車を超えたコレクターズアイテムとなりました。

 エスティメート280万~320万ドルに対し、落札価格は836万5000ドル。日本円にして約12億5500万円という結果は、現在のF40市場における評価の高さを改めて示すものとなりました。

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