登場からわずか数年で倒産した“悲劇のブガッティ”が2億円超えで落札 世界最速を目指したスーパーカー 結果139台しか作られなかった「EB110GT」とは
走行1.1万kmの「極上EB110GT」
2026年8月13日から15日にかけて、モントレー・カーウィーク期間中に開催されたRMサザビーズ主催の「モントレー・オークション」にて、1993年式ブガッティ「EB110GT」が184万7500ドル(約2億7700万円)で落札されました。
予想落札価格(エスティメート)は175万~225万ドルだったため、予想レンジ内ながら上限に近い価格での落札です。
わずか139台ほどしか生産されなかったEB110のうち、GT仕様は約84台とされる希少性に加え、1万1505km(約7149マイル)という走行距離や、良好な整備・所有履歴が評価されました。

EB110は、1952年に途絶えていたブガッティブランドを復活させるため、イタリア人実業家ロマーノ・アルティオーリが1987年にブランドの権利を取得したことから始まります。
イタリア・カンポガリアーノに最新鋭の工場を建設し、約4年にわたる開発を経て1991年9月15日に発表されました。車名の「EB110」は、創業者エットーレ・ブガッティの110回目の誕生日を記念したものです。
デザインを最初に手がけたのは、ランボルギーニ・ミウラやカウンタック、ディアブロなどで知られるマルチェロ・ガンディーニです。その後、ジャンパオロ・ベネディーニによってデザインが仕上げられ、低く構えたウェッジシェイプのボディに、特徴的なシザーズドアを組み合わせました。
技術面でもEB110は当時の常識を大きく超えていました。心臓部には3.5リッターV型12気筒クワッドターボエンジンを搭載し、最高出力は553馬力。6速MTを介して4輪を駆動し、0-60mph(約97km/h)加速は3.4秒、最高速度は212.5mph(約342km/h)に達しました。1990年代初頭の市販車としては驚異的な性能で、200mph(約322km/h)の壁を突破できる数少ないスーパーカーでした。
今回の個体はシャシナンバー「ZA9AB01E0PCD39040」。1993年4月の工場発注記録が残されており、当初はサウジアラビアへの納車が予定されていました。ボディは「Blu Bugatti」、インテリアは「Grigio Chiaro」のレザーという組み合わせです。
ただし、納車前には英国で保管され、その後米国へ輸出。さらに英国へ戻り、2004年には著名なプライベートコレクションに加わりました。
2005年のオークションでスイス人コレクターが購入し、2012年まで所有。その後も著名コレクションを経て、2022年からは米国フロリダ州のコレクションで管理されています。整備はJoe MacariやH.R. Owenなどの専門業者が担当しており、現在も丁寧に維持されています。
EB110を生産したブガッティ・オートモビリは、1990年代の厳しい経済環境に加え、アルティオーリによるロータス買収なども重なって経営が悪化し、1995年9月に操業を停止しました。わずか数年で幕を閉じたからこそ、EB110は「幻のブガッティ」として現在も高い人気を誇ります。
今回の184万7500ドル(約2億7700万円)という落札価格は、その希少性と歴史的価値を改めて示す結果となりました。
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