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約14億円で落札! 予想価格を大幅に上回った21世紀の”特別なスーパーカー” フェラーリ「エンツォ」は なぜ令和の今に人気が高ぶっているのか

今回の高額落札を後押しした理由とは

 2026年8月13日から15日にかけて米国カリフォルニア州モントレーで開催されたRMサザビーズ主催の「モントレー・オークション」で、フェラーリの限定スーパーカー、2003年式「エンツォ・フェラーリ」が、941万ドル(約14億1000万円)で落札されました。

 この個体は6月時点の落札予想価格を大きく上回る価格で落札されています。

 RMサザビーズによれば、498台が生産されたエンツォのうち米国仕様は111台。今回の個体は新車からわずか2人のプライベートオーナーに所有され、現オーナーが19年間保有してきた個体です。

 エンツォ・フェラーリは2002年に発表された、フェラーリの創業者の名を冠したフラッグシップモデルです。

「F40」、「F50」に続くスペチアーレ(特別モデル)として開発され、F1で培った技術をロードカーへ投入しました。カーボンファイバー製モノコックやカーボン製ボディパネルを採用し、空力性能を徹底的に追求。ドアを開けた際に露出するカーボン製の構造部材など、レーシングカーを思わせる設計も特徴です。

 心臓部には6リッター自然吸気V型12気筒エンジンを搭載し、最高出力660馬力を発揮します。組み合わされるのは6速セミオートマチックトランスミッションで、ステアリング裏のパドルによって変速を行います。

 0-100km/h加速は約3.6秒、最高速度は350km/h以上。ターボやハイブリッドシステムに頼らず、大排気量の自然吸気V12で高性能を追求したことも、現在のハイパーカーとは異なる魅力です。

941万ドル(約14億1000万円)で落札された2003年式「エンツォ・フェラーリ」Erik Olsen(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's
941万ドル(約14億1000万円)で落札された2003年式「エンツォ・フェラーリ」Erik Olsen(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's

 今回のシャシナンバー「ZFFCW56A930133919」は、2003年に製造された米国仕様車です。

 走行距離は9834マイル(約1万5820km)と、超低走行車ではありません。しかし、フェラーリ正規ディーラーによる整備を継続して受けており、出品直前の2026年7月にも大規模なメンテナンスを実施。さらにフェラーリ・クラシケの認証を取得し、エンジンやトランスミッションなどが完全なマッチングナンバーであることも確認されています。

 今回の高額落札を後押ししたと考えられるのが、所有履歴の明確さです。新車からわずか2人のオーナーに所有され、現在のオーナーは19年間にわたって保有していました。

 さらに今回が、初めての一般公開による売却だったこともポイントです。整備記録やフェラーリ・クラシケの認証、マルセル・マッシーニ氏によるヒストリーレポートなど、個体の来歴を裏付ける資料が揃っていました。

 そして、今回の落札額を押し上げたもうひとつの理由として考えられるのが、2026年のモントレーにおけるフェラーリ人気の高さです。

 RMサザビーズのオークションでは、「F40」が836万5000ドル、「ラ フェラーリ」が869万5000ドル、「F50」が1205万ドル、「288 GTO」が1155万5000ドルで落札されるなど、フェラーリのスペチアーレが相次いで高値を記録しました。モントレー全体でも高額車市場が活況となり、フェラーリが上位落札車の中心を占めています。

 エンツォは、F40、F50、ラ フェラーリと続くフェラーリの歴代フラッグシップのなかでも、自然吸気V12と軽量カーボンボディを組み合わせた最後期の象徴的存在です。

 今回の941万ドル(約14億1000万円)という落札結果は、単に希少なフェラーリというだけでなく、オリジナル性、履歴、整備状態、そして2026年の旺盛なコレクター需要が重なった結果といえそうです。

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