世界で63台しか作られなかった“スゴいランボ”がオークションで落札 走行500キロ未満の極上「シアンFKP37」がそれでも高騰しなかった理由
ランボルギーニが電動化へ踏み出す過渡期に生まれたユニークなモデル
ランボルギーニ初のハイブリッド・ハイパーカーとして登場した「シアンFKP37」が、2026年のモントレー・オークションで223万2500ドル(約3億3000万円)で落札されました。
RMサザビーズが出品したこの個体は、63台のみが生産されたクーペの1台です。
シアンFKP 7は2019年のフランクフルト・モーターショーで発表されました。車名の「FKP」は、フォルクスワーゲン・グループの会長を務めたフェルディナント・カール・ピエヒのイニシャル、「37」は1937年の生年に由来します。
ベースとなるのはアヴェンタドールと同じ6.5リッターV型12気筒エンジンですが、チタン製インテークマニホールドなどによって最高出力785馬力を発揮。さらに48Vの電気モーターを組み合わせ、34馬力を追加しています。
シアン最大の特徴は、一般的なハイブリッド車のような大容量バッテリーではなく、スーパーキャパシターを採用していることです。
軽量なうえ、瞬時に電力を放出できる特性を生かし、0-62mph(約100km/h)加速は2.8秒未満。ランボルギーニが電動化へ踏み出す過渡期に生まれた、非常にユニークなモデルでした。

今回出品された個体は、ボディカラーにグラデーションカラーの「ロッソ・エフェスト」を採用し、ルーフやボディの一部にはグロスカーボンを組み合わせています。インテリアもネロ・アデレザーとロッソ・アララアルカンターラで仕上げられ、オプションのカーボンパッケージなどの特別仕様だけで約23万7000ドルが追加された、非常に凝った1台です。
さらに大きな魅力となったのが走行距離です。カタログ掲載時点でわずか308マイル(約496km)。加えて、2021年から2023年にかけてロサンゼルスのピーターセン自動車博物館に展示された経歴も持っています。
事前の予想落札価格は220万ドルから260万ドルで、今回の223万2500ドルはその下限に近い水準でした。そのため、予想を大幅に上回る異常な高騰というわけではありません。
ただし、63台という極めて少ない生産台数に加え、約500kmという低走行距離、約23万7000ドル相当の特別装備、そして博物館展示歴を備えていたことを考えれば、コレクターにとって魅力的な個体だったことは間違いありません。
また、シアンは自然吸気V12を搭載するランボルギーニの時代と、本格的な電動化へ向かう時代の境目に誕生したモデルです。
単なる限定車ではなく、ランボルギーニの歴史における転換点を象徴する存在であることも、今回の価格を支えた要因といえそうです。
2025年のモントレーでも別のシアンFKP 37が237万ドルで落札されており、今回の223万2500ドルはそれをやや下回りました。
それでも、わずか63台しか存在しない特別なランボルギーニが、モントレーの舞台で200万ドルを大きく超える価格で取引されたことは、このモデルがコレクターズカーとして確かな評価を得ていることを示す結果といえるでしょう。
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