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見直すべきは「防災リュック」だけじゃない!? 10,000mAhスマホなどシャオミ新製品から考える「日常防災」とは

防災リュックを開けて分かった、「持っている」と「使える」は違う

 奇しくも我が家では先日、妻と娘、そして筆者の3人分、3つの防災リュックを久しぶりに引っ張り出した。9月1日の「防災の日」を前に、一度きちんと見直しておこうと思ったからだ。防災の日を含む1週間は「防災週間」と定められている。

 ところが開けてみると、少々ショックだった。非常食や飲料の賞味期限、消費期限が軒並み切れている。ライトは点灯するのか。モバイルバッテリーは最後にいつ満充電したのか。買ったときは「これで備えはできた」と安心したはずなのに、しまった瞬間から存在そのものを忘れ始めていた。

 そこで改めて思ったのだ。

 いざというときに使えなければ、防災用品は持っていても意味がない。

 食品には、日常的に食べながら補充していくローリングストックという考え方がある。ならば、デジタル機器も同じ発想でいいのではないか。非常時専用のモノを押し入れに増やしていくのではなく、365日使うスマートフォンそのものを、電池が長く持ち、水や衝撃にも強いものへ変えていく。

 今回Xiaomi(シャオミ)の新製品群を取材していて、筆者が考えたのは、そんな「日常防災」だった。

「REDMI Note 17 Pro Max 5G」の展示機。10,000mAhの大容量バッテリーやタフネス性能を、非常時だけでなく365日使うスマートフォンの価値として捉え直すことが、今回の「日常防災」という視点の出発点になる。
「REDMI Note 17 Pro Max 5G」の展示機。10,000mAhの大容量バッテリーやタフネス性能を、非常時だけでなく365日使うスマートフォンの価値として捉え直すことが、今回の「日常防災」という視点の出発点になる。

「20万円のスマホ1台」とXiaomi製品“山盛り”の写真が象徴していたこと

 今回の発表で、個々のスペック以上に印象に残った光景がある。

 20万円クラスのハイエンドスマートフォン1台に対し、その予算があればXiaomiならスマートフォンを中心に、ウォッチやスマートバンド、見守りカメラ、スピーカー、充電アクセサリーまで“山盛り”に揃えられる――。それがひと目で分かる展示だ。

 長年、国内外の家電やデジタル製品を見てきたが、これはXiaomiというブランドの立ち位置を実によく表している。

 ただし、ここで単純に「Xiaomiはコスパがいい」で終わらせてしまうと、本質を半分しか捉えていないように思う。

 防災を考えれば、通信手段は一家に1台あればいいわけではない。災害発生時、父親は仕事、母親は外出、子どもは学校にいるかもしれない。必要なのは、家族それぞれが離れた場所で情報を受け取り、連絡を取れることだ。

 つまり、家族全員に行き渡らせやすい価格であること自体が、災害の多い日本ではひとつの性能になり得る。

 物価高が続くなか、「安い」という言葉の意味も変わってきている。最高性能の1台に予算を集中させるのではなく、暮らし全体のデジタル装備を底上げする。この視点で見ると、Xiaomiの価格戦略は単なる安売りとは違って見えてくる。

「REDMI Note 17 Pro Max 5G」のリバース充電デモ。端末と外部機器をケーブルで接続し、スマートフォンをモバイルバッテリーのように使えることを示している。非常時には、自分以外の機器へ電力を分ける選択肢にもなり得る。
「REDMI Note 17 Pro Max 5G」のリバース充電デモ。端末と外部機器をケーブルで接続し、スマートフォンをモバイルバッテリーのように使えることを示している。非常時には、自分以外の機器へ電力を分ける選択肢にもなり得る。

10,000mAh、最大3日。防災目線では「72時間」の意味が変わる

 その象徴が「REDMI Note 17 Pro Max 5G」だ。

 一般的なスマートフォン記事なら、プロセッサーやカメラ、ディスプレイ性能から入るところだろう。しかし今回、筆者が真っ先に目を奪われた数字は10,000mAhだった。

 シャオミ史上最大というバッテリーを搭載し、同社によれば通常使用で最大3日間の駆動を実現。100W急速充電に対応するほか、最大27Wの有線リバース充電も可能で、1600回の充放電サイクル後も80%以上の容量を維持するという。

 3日、つまり72時間である。

 もちろんシャオミが災害の「72時間」を意識して設計したわけではないし、実際の災害時に必ず72時間使えるという意味でもない。

 しかし、防災の世界で72時間は無視できない数字だ。内閣府の2026年版防災白書でも、発災後72時間は救命・救助や消火などの応急活動にとって重要な時間帯と位置付けられている。

 現代の災害時、スマートフォンは電話以上の存在である。家族との連絡、避難情報、ニュース、地図、ライト、カメラ、場合によっては決済まで、生活と社会をつなぐ窓口の多くが、この1台に集約されている。

 停電すれば、そのバッテリー残量はそのまま「情報社会とつながっていられる残り時間」になる。

 さらに27Wのリバース充電が使えれば、自分のためだけの10,000mAhではない。家族や周囲の人の端末へ電力を分けることもできる。

 普段なら「モバイルバッテリーを持ち歩かなくて済む」という便利機能だが、非常時には誰かの通信手段を数時間延ばす機能に変わる。同じスペックでも、社会状況によって意味は変わるのである。

IP66/IP68の防塵・防水性能を示したスライド。メーカーはさらに、TÜV SÜDによる水深2mで72時間の耐水試験をクリアしたと説明する。水害時に必ず使える保証ではないが、情報機器が水で失われにくいことは重要な評価軸になる。
IP66/IP68の防塵・防水性能を示したスライド。メーカーはさらに、TÜV SÜDによる水深2mで72時間の耐水試験をクリアしたと説明する。水害時に必ず使える保証ではないが、情報機器が水で失われにくいことは重要な評価軸になる。

線状降水帯が珍しくない時代。「強い」はベンチマークとは別の性能だ

 さらに筆者が注目したのが、REDMI Note 17 Pro Max 5Gのタフネス性能だ。

 気象庁がいう線状降水帯とは、発達した雨雲が数時間にわたりほぼ同じ場所を通過・停滞し、顕著な大雨をもたらす現象だ。発生すれば災害危険度が急激に高まるため、2026年5月からは「線状降水帯直前予測」も始まった。

 短時間で道路が冠水すれば、クルマでさえ安全な空間ではなくなる。消防庁の資料にも、冠水道路でエンジンが停止した例、水に浮いて操作不能になった例、水没した車両から脱出できなくなった例などが記録されている。

 そんな状況で避難し、ようやく手元に残ったスマートフォンが、濡れて壊れていたらどうなるのか。あるいは慌てて避難する途中で落とし、画面が割れて操作不能になっていたらどうなるのか。

 REDMI Note 17 Pro Max 5GはIP66/IP68の防塵・防水性能を備え、TÜV SÜDによる水深2m×72時間の耐水試験をクリア。さらにCorning Gorilla Glass Victus 2を採用し、SGS認証では最大3mの高さから御影石への落下試験も実施している。

 当然ながら、これは「72時間水没させても必ず使える」「3mから落としても絶対に壊れない」という保証ではなく、規定条件下の試験結果だ。

 だが筆者が重要だと思うのは、そこではない。

 災害時に必要な情報機器が、その災害によって真っ先に失われないことである。

 スマートフォンの「高性能」は、これまでSoCの処理能力やカメラの画素数、ディスプレイの輝度などで語られることが多かった。しかし非常時には評価軸が一変する。

 まだ電池はあるか。濡れても動くか。落としても使えるか。家族と連絡が取れるか。

 いざというときには、こうした根源的な性能のほうがはるかに重要になる。

エントリーモデル「REDMI 17」の展示機。市場想定価格3万4980円からとしながら7500mAhのバッテリーを搭載する。家族全員へ端末を行き渡らせることを考えるなら、最高性能だけでなく価格と必要機能のバランスも重要になる。
エントリーモデル「REDMI 17」の展示機。市場想定価格3万4980円からとしながら7500mAhのバッテリーを搭載する。家族全員へ端末を行き渡らせることを考えるなら、最高性能だけでなく価格と必要機能のバランスも重要になる。

「安い、強い、長い」は、今の日本では生活防衛性能になる

 そしてシャオミの面白さは、この思想が高額モデルだけに閉じていないことだ。

 例えば「REDMI 17」は市場想定価格3万4980円からというエントリーモデルながら7500mAhのバッテリーを搭載し、22.5Wのリバース充電や6年間のセキュリティアップデートにも対応する。

 もちろん5GやNFCに非対応など、価格なりの割り切りもある。それを無視して「安いからおすすめ」と書くのは違う。

 重要なのは、自分や家族に必要な機能を見極め、限られた予算をどう配分するかだ。

 数千円から選べるウェアラブルも同じである。それ自体を「防災用品」と呼ぶのは無理がある。しかし長時間駆動する時計で時刻や通知を確認できれば、スマートフォンを頻繁に点灯させず、バッテリーを温存するという使い方はできる。

 つまり何でも防災に結びつければいいわけではない。

 平時に何ができるのか。非常時には何が残るのか。そして何が使えなくなるのか。

 そこまで含めて製品を評価することが、「日常防災」を考えるうえで重要だと思う。

 今回、我が家の防災リュックで期限切れの食料や飲料を大量に見つけたことは、筆者にとって良い教訓になった。

「非常時のために買って、しまっておく」という備えには、どうしても「忘れる」という弱点がある。

 だったら食品をローリングストックするように、デジタル機器も日常で使いながら備えればいい。毎日持つスマートフォンが長く動く。水や衝撃に強い。他者にも電力を分けられる。それを家族それぞれが無理なく持てる。

 いわば“デジタル版ローリングストック”である。

 シャオミ自身は今回、防災を前面に打ち出していない。

 しかし新製品を社会状況の側から横断して読み直すと、筆者には3つの言葉が浮かび上がった。

 安い、強い、長い。

 これまでスマートフォン市場では「どちらのカメラがきれいか」「どちらの処理性能が高いか」といった競争が繰り返されてきた。しかし、災害が頻発し、同時に物価高にも向き合わなければならない現在の日本では、性能という言葉の意味そのものを広げる必要があるのではないか。

 家族全員に行き渡る価格なのか。いざというときに壊れずに残るのか。そして通信と情報をどれだけ長く維持できるのか。

 防災の日を前に防災リュックを開けるのはもちろん大切だ。

 ただ、それを閉じたあと、今度はいつもポケットに入れているスマートフォンにも目を向けてみてほしい。

 本当に災害発生後の時間をともにする可能性が高いのは、押し入れの奥にしまった非常用品ではなく、毎日使い続けているその1台なのだから。

会場に並んだXiaomiのウェアラブル製品。時計や通知の確認を手首側に分散できれば、スマートフォンの画面を点灯する回数を減らす使い方もできる。単体を防災用品と決めつけず、平時の便利さが非常時にどう残るかを見ることが重要だ。
会場に並んだXiaomiのウェアラブル製品。時計や通知の確認を手首側に分散できれば、スマートフォンの画面を点灯する回数を減らす使い方もできる。単体を防災用品と決めつけず、平時の便利さが非常時にどう残るかを見ることが重要だ。

【製品概要】
REDMI Note 17 Pro Max 5G

価格:市場想定価格 税込7万9980円(8GB+256GB)/税込9万9980円(8GB+512GB)
カラー:クラウドブラッシュ/ブラック/パープル
タイプ:5G対応Androidスマートフォン
ディスプレイ:約6.83インチ 1.5K AMOLED/最大120Hz
SoC:Snapdragon 6 Gen 5
メモリ/ストレージ:8GB+256GB/8GB+512GB
カメラ:リア 約5000万画素+約800万画素/フロント 約3200万画素
バッテリー容量:10,000mAh
充電:100W急速充電/最大27Wリバース充電
防塵・防水:IP66/IP68
本体サイズ:約78.27×163.44×8.57〜8.65mm
重量:約229.5g
OS:Android 16ベース Xiaomi HyperOS 3
主な機能:最大3日間の通常使用、最大3m耐落下試験、水深2m×72時間耐水試験、Google Gemini、6年間のセキュリティアップデート、4回のOSバージョンアップ

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プロだけじゃない アマチュアこそ試したいスリクソンの新アイアン
滝田勝紀
滝田勝紀
VAGUE家電統括プロデューサー
モノ雑誌の編集に15年以上携わり『デジモノステーション』編集長を歴任。現在は家電スペシャリストとして、国内外の最新テクノロジーを長年取材。All About家電ガイドやMakuakeエバンジェリスト、楽天ROOM公式インフルエンサー(フォロワー56万人超)など幅広く活動する。海外取材経験も豊富で、欧州家電メーカー本社や世界最大級の見本市「IFA」への造詣も深い。また、Z世代向けメディア運営やPR会社経営の傍ら、インテリアスタイリスト窪川勝哉氏とのユニット「𝒾𝓃𝒞𝒶𝒹𝑒𝓃𝓏𝒶」で家電開発も手掛ける。機能とデザインの両面から、心地よい暮らしのあり方を提唱している。

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