角型の“ビキニカウル”がいま見てもカッコいいね! 古いのに新しい48年前に登場した異色のカフェレーサー カワサキ「KZ1000 Z1-R」とは
吸排気系のカスタムとエンジンリビルドが施された実動個体
今回オークションに登場した個体は、製造初年度にあたる1978年式のモデルです。

外観は、モデル特有の車体色である「メタリック・スターダスト・シルバー」の塗装が保たれています。
ティンテッドのウインドスクリーンが組み込まれたクォーターフェアリングや、ブラックのビニール表皮で覆われた2人乗り用のシートなども、オリジナルに近い状態が維持されています。
また、車体左側に装備されるクロームメッキ仕上げのグラブハンドルや、折りたたみ式のフットペグ、各スタンド類も残されています。
Z1-Rの特徴であるカウル内コックピットには、オリジナルの日本電装製メーター類が良好な状態で残されています。
中央に配置された160マイル表示のスピードメーターや、8500回転からレッドゾーンとなるタコメーターが確認できます。
それらに加え、当時としては先進的だった燃料計や電流計といった補助メーターもしっかりと機能および維持されています。
ハンドル周辺にはクロームメッキの施されたハンドルバーが装着されており、左右にはワッフルパターンのグリップとデュアルミラーが備わっています。
そして、足元を支える18インチのキャストホイールには、2026年にシンコー製のタイヤが新たに組み込まれました。
一方で、この個体には走行性能に影響するいくつかのカスタマイズが前オーナーによって施されています。
Z1-Rはメーカー純正で4-into-1集合マフラーを採用した先駆的モデルですが、この個体は排気系にカーカー製のポリッシュ仕上げスリップオンマフラーを装着するカスタムが施されています。
また、吸気系統についても、本来のエアクリーナーボックスから社外品のポッドフィルターへと変更され、空気の吸入効率を高める工夫がなされています。
搭載される1015ccのエンジン本体は、以前の所有者のもとでリビルド作業とシリンダーヘッドの改修が施されたと記録されています。
燃料供給には4基のミクニ製キャブレターが用いられており、動力はブラックのアッパーガードが備わるドライブチェーンを介して後輪へ伝達されます。
メンテナンス履歴としては、2025年にエンジンオイルの交換作業が実施されています。
オドメーターが示す走行距離は約2万5000マイルとなっており、製造から経過した年数を考慮すると適度に走行を重ねてきた個体といえます。
全体的なコンディションとしては、使用に伴う経年変化は見られるものの、実動状態を維持するための適切な整備が行われてきたことがうかがえます。
なお、今回のオークションでは6件の入札を集め、最終的に9500ドルで落札されました。
※ ※ ※
今回オークションで落札されたZ1-Rは、1970年代後半のオートバイ市場において、デザインの新たな潮流を示したモデルです。
吸排気系やエンジン周辺に実用的なカスタマイズが施されつつも、車両の個性である直線的なスタイリングやオリジナルの計器類が維持されていました。
良好なコンディションを保った1970年代のマルチシリンダーモデルが一定の評価額で取引されている事実は、クラシックモーターサイクル市場における底堅い需要の存在を示しています。
今後も、歴史的な意義を持つ旧型モデルの動向には多くの注目が集まることになりそうです。
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