ド迫力の音と湯柱にびっくり! 大自然のパワーを間近で体感&良質な湯にも感動 “噴気・間欠泉”が見られる「温泉地」3選
続いては宮城県と長野県に位置する温泉地
●宮城県「鬼首温泉」
続いて取り上げるのは、宮城県の名湯・鳴子温泉郷の奥座敷に位置する「鬼首(おにこうべ)温泉」です。
鬼首温泉は、荒雄岳の麓に広がる太古のカルデラ盆地に位置し、100度近い高温泉が次々と湧き出る「地獄谷」を主な源泉としています。川沿いの至る所から激しい湯煙と噴気が立ち上る光景は、まさに地球の息吹そのものです。

観光名所である「鬼首かんけつ泉」では、地熱の圧力によって定期的に熱湯が噴き出すダイナミックな自然現象を間近で見ることができます。
なかでも「弁天」と呼ばれる間欠泉は、約10分の周期で大音響とともに高さ15メートルほどまで一気に湯柱を突き上げる姿が圧巻で、訪れる人々を圧倒します。
鬼首温泉のもうひとつの魅力は、鳴子温泉郷ならではの豊かな湯量と、多彩な泉質にあります。
温泉街では、肌触りがとろりとして美肌効果やリラックス効果が高い「アルカリ性単純温泉」を中心に、高い保温効果が期待できる「塩化物泉」や、古くから傷の湯として親しまれてきた「硫酸塩泉」など、多彩な恵みを引き出しています。
湯巡りをすることで、それぞれの湯が持つ異なる肌触りや効能をじっくりと体感することができます。
また、この地には、平安時代に坂上田村麻呂が蝦夷の首領である大武丸を討ち取った際、その首が天空を舞ってこの地に落ち、大岩に噛みついたという「鬼の首」にまつわる強烈な伝説が残されており、これが「鬼首」という地名の由来になったと語り継がれています。
現在も周辺のエリアには鬼にちなんだスポットやモニュメントが点在しており、荒々しい地獄の風景と鬼の伝説が重なり合う、独特な旅情を味あわせてくれる温泉地です。
●長野県「地獄谷温泉」
最後に取り上げるのは、長野県の名湯・湯田中渋温泉郷の最奥、横湯川の険しい渓谷に位置する「地獄谷温泉」です。
地獄谷温泉はその名の通り、切り立った崖から常に激しい白い噴煙が立ち上り、古くから人々が近寄りがたい「地獄谷」と呼んだ場所を主な源泉としています。

川底や岩隙の至る所から、90度を超える熱湯と水蒸気が絶え間なくボコボコと湧き出る光景は、地球の凄まじい地熱エネルギーを今に伝えています。
川沿いにある最大の見どころが、国の天然記念物にも指定されている「渋の地獄谷噴泉(間欠泉)」です。
一般的な間欠泉とは異なり、地圧のバランスによって「休みなく絶え間なく噴き上げ続ける」という非常に珍しい特徴を持っています。絶え間ない轟音とともに、高さ20メートル近くまで熱湯が白煙を上げて一本の柱のように一気に噴き出す姿は圧巻です。
地獄谷温泉のもうひとつの魅力は、大自然の恩恵を受けた豊かな湯量と、効能豊かな泉質にあります。
主な泉質は、お肌に優しく刺激が少ない「弱アルカリ性(または中性)の塩化物・硫酸塩温泉」です。無色透明でありながら、体の芯までしっかりと温まり、湯冷めしにくい温泉として古くから湯治客に親しまれてきました。
その豊かな湯量と高いクオリティから、渓谷の一軒宿である「後楽館」の源泉かけ流し風呂はもちろんのこと、野生のニホンザルたちが暮らす専用の露天風呂へも給湯されています。
そして、この地を世界的に有名にしたのが、世界で唯一、野生のサルが温泉に浸かる姿を見られる「スノーモンキー」の文化です。
厳しい冬の寒さをしのぐために、ニホンザルたちが人間さながらに目を閉じて気持ちよさそうに湯船に浸かる姿は、海外からも「Snow Monkey」として絶大な人気を集めています。
渓谷の荒々しい風景と、温泉に癒やされるサルたちの愛らしい姿が不思議なコントラストを描き出し、世界中でここでしか出会えない体験を堪能できます。
※ ※ ※
今回取り上げた3か所の温泉地は、いずれも噴気や間欠泉という視覚的なダイナミズムを通じて、地球が生きていることを実感させてくれます。
噴泉を維持するためにミネラルの結晶を取り除くといった地域住民の管理や、野生動物との共生など、温泉文化を守るための努力も各地で見られます。
このような温泉地は、単に浸かるだけの入浴体験を超えて、地形や地熱といった科学的な背景に目を向けることで、日本の温泉地の奥深さをより深く理解できる場所といえそうです。
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