軽自動車より36cm短くて超かわいい! フィアット「ムルティプリーナ」ってどんなクルマ? 小さくておしゃれな4人乗りEVとは
全長わずか3.04m! 小さなボディに4人分のシートを用意
フィアットは2026年10月23日、4人乗りの電動コンセプトカー「ムルティプリーナ」の詳細を発表しました。軽自動車規格の上限を下回る小さなボディに、日常の移動に必要な実用性と、親しみやすいデザインを詰め込んだ1台です。
ボディサイズは全長3040mm、全幅1400mm、全高1530mm。日本の軽自動車規格の上限は全長3400mm、全幅1480mmですから、「ムルティプリーナ」はそれよりも360mm短く、幅も80mmスリムです。
全長は3mをわずかに超える程度ですが、乗車定員は4人。ひとりやふたりでの移動に用途を絞るのではなく、通勤や子どもの送迎、近所への買い物といった、日々のさまざまな移動を想定しています。
フィアットには、ふたり乗りの小さな電動モビリティ「トポリーノ」がありますが、「ムルティプリーナ」が目指すのは、その「トポリーノ」と一般的な乗用車の間を埋めるポジショニング。コンパクトさを保ちつつ、乗れる人数や使い道を広げようという考え方が根底にあります。
車両区分は、欧州の4輪車カテゴリーである「L7e」。日本の軽自動車とは異なる区分の電動モビリティです。フィアットはこのモデルを“マルチパーパス・クアドリサイクル(多目的4輪車)”と呼んでいます。
「ムルティプリーナ」の構想は2026年6月に紹介され、先の「パリモーターショー2026」で実車が展示されました。今回の発表では、サイズやデザインの背景、日常での使い方が改めて説明されています。
●黄色と白のツートーンがかわいい! ルーツは1956年の「600ムルティプラ」
「ムルティプリーナ」のポイントは、なんといっても愛着がわくデザインでしょう。「パリモーターショー2026」で展示された実車は、明るいイエローのボディに白のルーフやピラーを組み合わせ、丸みを帯びた箱形のシルエットを際立たせています。

足元のホイールにもボディとそろえた黄色や白系の色を配し、小さな車体全体をコーディネート。フロントのフィアットエンブレムから左右へ伸びる“ひげ”のような意匠も、どこか懐かしく、かわいらしい表情をつくっています。
こうしたデザインのルーツは、1956年に登場したフィアット「600ムルティプラ」にあります。全長約3.5mのボディに6人分の居住スペースを内包した、空間の使い方が巧みなモデルでした。
「ムルティプリーナ」には、前方に配置したフロントウインドウやツートーンのボディカラー、フロントの“ひげ”、リアのエアベントを思わせる処理など、「600ムルティプラ」につながるモチーフが盛り込まれています。

さらに受け継がれたのは、見た目だけではありません。小さな車体の中で、人が使える空間をできるだけ大きく取るという発想も共通しています。約70年前の6人乗りモデルが示した工夫を、最新の4人乗りBEV(電気自動車)としてとらえ直したのが「ムルティプリーナ」といえそうです。
開発の考え方を示すのが、フィアットの掲げる「より少ないもので、より多くを」という方針。フィアットは、コンパクトなボディサイズや軽さ、効率的な空間の使い方によって、日常の実用性を保ちながら、必要な材料や資源を減らすことを目指しています。
街の移動に使うクルマだからこそ、車体を小さくしながら、必要な機能を効率よく収める。かわいらしい姿には、使う人だけでなく、つくる際の資源にも目を向けた考え方が込められているのです。
なお、「ムルティプリーナ」は現時点ではコンセプトカーであり、バッテリー容量や航続距離、価格、市販化の時期、日本導入などについては明らかにされていません。
軽自動車よりコンパクトな上におしゃれなルックスが魅力的な1台だけに、市販化、そして日本への上陸に期待したいところです。
VAGUEからのオススメ
前作超え感じさせる“ロケット級”の飛び実現へ! 新スリクソン「ZXi RKT」ドライバー4モデルの実力を試してみた【PR】