「タイヤからタイヤへ」の水平リサイクルへ一歩! ブリヂストンがS耐岡山で実戦投入した「再生カーボンブラック配合レースタイヤ」は何がスゴい?
水平リサイクルって何? 再生カーボンブラックとは?
ブリヂストンは2026年10月24日、「ENEOS スーパー耐久シリーズ 2026 Empowered by BRIDGESTONE 第6戦 スーパー耐久レース in 岡山(以下、S耐岡山)」が開催された岡山国際サーキットにて、ST-Qクラスに参戦する車両に向けて再生資源を使用した新しいタイヤを投入すると発表し、同会場で記者説明会を行いました。

今回投入された新たなレーシングタイヤは、ブリヂストンが現在研究を進める「精密熱分解による使用済みタイヤのケミカルリサイクル」によって得られた再生カーボンブラックを配合したものです。
従来、日本における使用済みタイヤのリサイクルは、その多くが燃料として再利用されています。 ブリヂストンが考える水平リサイクルとは、使用済みタイヤを燃料としてリサイクルするのではなく、新しいタイヤに戻す「タイヤtoタイヤ」というもの。
実はタイヤはゴムだけではなく、充填剤や補強繊維、スチールなど多くの原材料で構成されています。
これをそれぞれの原材料に分離して再利用していくことは難しく、この技術は「出来上がったお好み焼きから小麦粉や卵、キャベツを取り出すようなもの」と例えられています。
現在ブリヂストンが取り組んでいるのは、使用済みタイヤを精密熱分解することでリサイクルオイルや再生カーボンブラックを回収し、タイヤ原材料として再利用するというもの。
2023年には東京・小平にあるブリヂストンイノベーションパークに実証機を導入して技術開発を進め、2025年には岐阜県関市に精密熱分解パイロット実証プラントの建設を決定、2026年11月に着工し2027年中に稼働開始する予定だといいます。
カーボンブラックはタイヤのゴムの補強材として用いられますが、使用済みタイヤから取り出した再生カーボンブラックの場合は、これまで付着していたゴムがまだ表面に残っていたり、大きな塊が混在してしまうことがあるとのこと。
それを精密な熱分解と1次処理により、カーボンブラック表面の状態と異物をコントロールし、小さな粒子の表面がきれいに露出しているような良質なカーボンブラックへと再生させる技術を研究開発しています。
今回の発表会では、記者たちに2つのゴム片が渡されました。
サンプル1は精密熱分解でできた「良好な再生カーボンブラックを配合」したもの、サンプル2はあえて熱分解が最適化されていない状態でできた「粗大粒子を含む再生カーボンブラックを配合」したものです。
はじめに2を引っ張ると、少しの力で途中でぷちっと切れてしまいました。

対して1は、同じ力で引っ張っても切れることはなく、自分の腕力では切ることができませんでした。
これは、1の場合は良質なカーボンブラックがゴムにまんべんなく分散されて荷重を分担・分散できるために切れにくく、2では大きな塊となってしまっているカーボンブラックの粒子の周囲に力が集中してしまうため、亀裂の起点となり切れやすくなってしまうとのことでした。
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