1930年築の洋館で、青い炎のクレープ・シュゼットを。銀座「アンリ・シャルパンティエ」で過ごす甘い時間
1930(昭和5)年建築。中世ロマネスク風の意匠が美しいビルの1階
地下鉄銀座一丁目駅から徒歩約1分、銀座駅からも徒歩約3分、銀座柳通り沿いにある「アンリ・シャルパンティエ 銀座メゾン」。1930(昭和5)年に竣工した「ヨネイビルディング」の1階にあります。

ヨネイビルディングは中世ロマネスク風の意匠で、らせん模様の柱を取り付けた大小のアーチ窓が印象的なビル。設計者は森山松之助で、日本統治時代の台湾で多くの官庁建築を手がけた人物。日本では久邇宮邸や新宿御苑台湾閣などが今も残っています。
そして、ヨネイビルディングは「関東大震災後に銀座に林立したオフィスビルの中で今も残る、当時の趣を維持しているビル」として、東京都選定歴史建造物に選ばれています。
そんな、歴史あるビルの一角に、パリのアパルトマンをイメージしてつくられたのが「銀座メゾン アンリ・シャルパンティエ」。 アンリ・シャルパンティエは、兵庫県・芦屋で1969年に「スイーツも食べられる喫茶店」として創業した洋菓子店です。
店内はケーキや焼き菓子などを販売する「ブティック」のスペースと、洗練された雰囲気の「サロン」スペースがあり、サロンでは本格的なテーブルデザートを楽しむことができます。
サロンの中は大きなアーチ窓に向かう形で座るカウンター席と、包み込むような空間となっているテーブル席があり、晴れた日は大きな窓からの柔らかな日差しに包まれます。
そんな、銀座メゾン アンリ・シャルパンティエで食べたい、おすすめのスイーツを紹介します。

創業のきっかけにもなった”シンボル的存在”「クレープ・シュゼット」
「当店の創業のきっかけにもなったクレープ・シュゼットは、薄く手焼きしたクレープ生地と、オレンジ果汁とバター、リキュール等のソースをからめたスイーツです」。
調理の仕上げとなる”フランベ”は、オーダーごとにお客様の目の前で行われます。テーブル席の場合、ワゴンが横付けされ、その上にあるフライパンでソースを加熱し、煮詰めたのちにソースをクレープにかけます。
そして”フランベ”。青い火が上がるのを見て、そして香りも楽しめる、ライブ感のある演出に、思わずワクワクしてしまいます。
「フランベで香りも愉しんでいただければ。お好みで、コアントロー香るオレンジビターソースをかけて召し上がってください」。
まずはそのまま。味わってみると、豊かな香りと甘さ、そしてクレープとソースのなめらかな口当たり。ほんのり温かいのも、目の前で完成したからこその温度感です。グラン・マルニエの香りと味わいを感じます。
そして、コアントロー香るオレンジビターソースをかけると、フルーティな、そしてさらに深みを感じる美味しさに。優雅な気分に浸れる大人のデザート、と言えそうです。
クレープ・シュゼットにはアイスクリームを添えたものもあります。取材時には夏のメロンについても紹介してもらいましたが、季節のフルーツを使うメニューは時期によって変わります。

店内厨房で毎朝作りたて。ケーキの皇帝「ナポレオンパイ」も外せない
そして「当店にいらしたら、クレープ・シュゼット同様ぜひ味わって欲しいのが、出来立てのナポレオンパイです」。
パリパリのアーモンドスライスに、真っ赤なイチゴ。中は層になっていて、サクサクとふわふわ、両方を感じる口当たり。カスタードクリームと、甘酸っぱいイチゴのコンフィチュールがたまりません。
「ナポレオンパイは店内厨房でお作りしている人気のひと品です。ここでしか味わえない、いちごとカスタードクリームの大胆で繊細な味わいを、ぜひお愉しみください」。
パイなどのスイーツと一緒に味わえるのは、老舗の「ムジカティー」の紅茶「芦屋プラウド」、「シーズナル・ダージリン」、「ムジカ セレクトティー」やコーヒーなど。芦屋生まれのパティスリーのスイーツと、香り豊かな紅茶を銀座で楽しむ。贅沢な時間です。

アンリ・シャルパンティエの世界観に包まれる「らせん階段」
そして、アンリ・シャルパンティエを訪れたらぜひ見て欲しいのが、階下に向かうらせん階段。ゴールドで統一された本や照明、オブジェなどが階下から天井まで続く圧巻の空間です。
「実は階下には隠し扉でレストルームがあるんです。初めてご来店された方だとわからないので、尋ねられた際にはご案内しています」。
隠し扉! ワクワクするような仕掛けがあるのも、遊び心を感じます。取材時は隣のビルが建設中で、書棚の窓からの日差しにより、明るさが増しているとのことでした。
「当店はお客様の最高の時間を演出するために、シェフが知恵と工夫を凝らしたデセールをお届けしています。創業から55年以上たった今でも、私たちのお菓子づくりは小さなサロン時代のまま。全てのお客様一人ひとりの大切な瞬間のために、良き素材と、良き製法を、シェフの手で仕上げています」。
歴史のあるビルの中に入ると洗練された空間のカフェ。そして目の前で完成するクレープ・シュゼットや作りたてのナポレオンパイ。外の喧騒から少し離れ、穏やかな時間を過ごせる、アンリ・シャルパンティエ 銀座メゾン。
作りたてのデザートを、建物の細部を眺めながらゆっくり味わう。素敵な時間を過ごせるサロンでした。
店舗情報
「アンリ・シャルパンティエ 銀座メゾン」
住:東京都中央区銀座2-8-20 ヨネイビル1階
TEL:03-3562-2721
営:サロン・ド・テ11:00~19:00(LO18:00)、ブティック11:00〜19:00
休:元旦
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