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アルピナかMか? 「B5」の格別フィーリングと「M5」の過激さの絶妙な棲み分け

滑らかさはそのままにハードさプラス。走りはM5とほぼ互角のレベル

 実際、その走りは新時代のアルピナを感じさせるに十分にアグレッシブだった。もちろん、ドライブモードによってその表情は大きく変わるものの、(ミシュランパイロットスポーツではなく)ピレリPゼロを選ぶようになった最新世代のアルピナは、以前にも増してスポーツサルーン&エステートに徹しているように思う。

 もちろん、走り出した瞬間からスポーツライクなわけではない。そこはアルピナらしく、20インチのタイヤを履いているとは思えないほどの乗り心地の良さだ。ソリッド&フラットなドライブ感覚をきっちり残しつつ、路面からの余計なショックをしっかりといなしている。否、感覚的には舗装道路がどこまでもフラットに思えるほどの滑らかさだ。

 そのことは高速道路上でより一層、強調されているように思う。どこまでも転がってくれそうなライドフィールはアルピナの最新世代が飛び抜けて上等なグランドツーリングカーだと筆者が評価する所以だ。

  • アルピナが好まれる理由。それはどのスピード域でも、粗のない上質な乗り心地を誇るところだ(C)柳田由人

 もっとも峠道を攻め込み始めると、その獰猛さを隠しきれなくなるから注意が必要だ。サイズとトルクフィールのバランスが良かった「B3」や、そもそも巨大で後輪操舵も備えた「B7」に比べると、どうしても“手に負えない感”が増す。踏み込んだアクセルペダルへの強力すぎるレスポンスは、コーナー出口での気分を臆病にさせるに十分だった。ある意味、この3モデルの中でもっとも過激なスポーツリムジンだといっていい。

 M5コンペティションに負けず劣らず激しいサルーン。欧米のマーケットにおけるスポーツセダンセグメントの中心が欧州Eセグメントにあったことを思い出せば、その核心をつくためにアルピナはこれほど過激なモデル=B5を開発したのだと得心する。

 B5かM5か。今なおその選択は悩ましい。微速域での洗練さでB5は少し上回る。逆にM5コンペティションの方が過激さではわずかに上だ。ただしそれは街中を転がしているようなとき、つまりなんでもない瞬間に時折拾うように感じる獰猛な唸りのレベルでしかない。

 実際にワインディングロードを攻め込んでいる最中の過激さのレベルでは、両者まるで引く気配のないほどの同レベルである。

 ひょっとするとこうして並び立てて、書きながら悩んでいる時点で、アルピナの策にまんまとハマっているのかもしれない。

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