2億円のマクラーレン「エルヴァ」を公道試乗! フロントガラスのないオープンカーなのに快適でした
2億円の「エルヴァ」のアクセルペダルを本気で踏んでみたら
晴れ間がさらに広がって気温も上昇し、急速に路面も乾きつつあったので、さらに良くなるのを待つため、もうしばらく右足を堪えさせるドライブを続けた。確かめたいこともあったのだ。エルヴァの注目装備のひとつ、AAMS=アクティブ・エア・マネジメント・システムである。時速40kmを超えたあたりから作動するという。ルーフ&ガラスレスのこのクルマに少しは快適なドライブを提供するアイテムらしい。
果たしてノーズの中ほどから視界を遮らない程度の壁が迫り上がった。すると前からの空気の流れがはっきりと変わって、ちょうどエアカプセルのような状況がキャビン周りで形成される。風をまるで感じなくなるというと嘘になるけれども、向かい風の勢いは確かに弱まったように思えたし、コクピット周りに発生するノイズのボリュームもいくらか下がったように感じられた。レーシングカーコンストラクターとして世界にその名を馳せるマクラーレンだけあって、空気の流れを操ることは得意中の得意というわけだろう。

路面コンディションがかなり良くなった。日向では思う存分に踏めそうだ。815psの片鱗を味わってみようじゃないか。意を決しアクセルペダルを踏み込んだ。
●笑い続けるほかないほどの一体感
異次元の加速。言葉をなくしてしまう。路面の上に接地して走っているという感覚があっという間に薄まった。腰に巻いたベルトが前からの強烈な力で引っ張られたかのように飛び出す。それでいて飛んでいるようかというと、そうではない。
マシンは素晴らしく安定しており、怖さは微塵も感じない。空気をキレイに切り裂いてどこまでも加速し続ける。ある速度域に達するとカーンと空気が悲鳴をあげたような音がした。あれはエアカプセルの弾ける音だったのか。コーナーが迫る。ブレーキ性能は効きもフィールもロードカーのレベルを遥かに超えていた。
加減速とくればお次はハンドリングだ。マシンは腰に巻いたベルトのようだと書いた。速度を上げてもその感覚は変わらず、さらにいうと鋭敏さを増す。ハンドルを回すと即座に身体ごと旋回する。超クイックだが、不思議と気持ち悪くない。ドライバーを中心にしてクルマ全体が一体となって曲がっていくからだろう。
加減速と旋回をリズム良く続けていける。ドライバーはもう笑い続けるほかない。多少路面が濡れていてもコントロールできる妙な自信が湧き始めたところでエルヴァを停めることにした。これ以上、危険な領域へ入っていかないための理性がギリギリ働いたのだった。
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