女性ドライバーがクラシックポルシェで7大陸走破! どうして彼女は南極大陸を「356A」で走ったのか
南極を走った356Aの仕様とは
そんなレニーのレーシングチームであるヴァルキリー・レーシングは現在、「プロジェクト356ワールドラリー」に取り組んでいる。内容は世界7大陸を横断するというチャレンジングなもの。
2017年には「カレラ・パンアメリカーナ」、2018年にはアンデス山脈を臨む「カミノス・デル・インカ」、2019年には「北京・パリ」と「イーストアフリカン・サファリ・クラッシック」に参戦。そして2021年12月、南極大陸を走破したのだ。

●想定外のトラブルを乗り越えて
南極大陸攻略にあたって365Aには、フロントタイヤに代えてスキーが、リアタイヤに代えてクローラーが装備されることになった。フロントまわりに装着されたカーボン製の“ネット”は、クレパスへの落下を防止するための安全装備だ。このように南極大陸を走るためにあらゆる改良が施された。結果、365Aの推奨走行速度は40km/hとなった。
準備万端で望んだ南極大陸356マイル(約573km)走破だが、やはり極寒の地は厳しかったようだ。理論上、9時間ちょっとで走破できる道のり。だが早朝に出発したら夕方までには……、とはいかないのが南極大陸だった。
エアクリーナーが氷に覆われて吸気トラブルに見舞われたり、スキー板とフロントサスペンションを繋ぐボルトが千切れたり、オイル漏れを起こしたり、原因不明のパワーダウンが発生したり、吹雪の中でキャブレターを交換したり、と紆余曲折あった。
途中、ホワイトアウトの中で運転したという。時間との戦いではなく、厳しい大自然のなか、着実に安全に前に進むという精神的な戦いでもあった。12月8日に出発し、3日後の11日にようやく356マイルを走破。これで見事に7大陸横断を成し遂げた。
レニーの父親は海兵隊からビジネスマンに転身した後、外交官になった経歴を持つ人物。そしてレニーは両親に連れられ、文化大革命の真っ只中の香港で幼少期を過ごし、ラオスでは内戦(同時期に近隣のベトナム戦争も勃発)を身近に見て育った。
血中アドレナリン濃度の濃さや年齢も性別もハンデとせず有言実行する意志の強さは、このような背景が関係しているように感じられる。なお、DONATE356が目標としている募金額は100万ドルで、現在のところ55万ドル強が集まっている。これからのレニーのレース活動から目が離せない。
南極大陸を走るポルシェ「356A」を【動画】で見る
●ポルシェ「356A」が南極を走る!
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