美しすぎるフェラーリが4700万円で手に入る!? 「ディーノ206GT」が市場価格より安価だった理由とは?
「ディーノ206GT」のかなりリーズナブルなプライスだった理由とは
このほどRMサザビーズ社「PARIS」オークションに出品されたディーノ206GTは、シャーシナンバー「#00386」。新車時からのカラーリング「ロッソ・キアーロ(Rosso Ghiaro)」に、「ネロ(黒)」の本革レザー内装の組み合わせが、現在においても維持されている1台である。

ちなみにロッソ・キアーロとは「明るい赤」を意味するイタリア語。フェラーリでいうところの「ロッソ」、のちの「ロッソ・フェラーリ」よりも明るめのトーンとされる一方、ピニンファリーナ製の206GTプロトティーポに塗られたことで知られるオレンジ色「ロッソ・ディーノ」よりは暗めの色調とされている。
この206GT#00386は、ミラノのフェラーリ正規エージェント「M.ガストーネ・クレパルディ・アウトモービリ(M. Gastone Crepaldi Automobili)」社を介して、1969年3月5日にミラノ在住の初代オーナーのもとにデリバリーされた。
その後#00386は、リグーリア州ジェノヴァに住む2代目オーナーに譲渡されるまでの約2年にわたってミラノに生息。1971年11月には、ヴェローナ在住の3代目オーナーのもとに譲られた。
それから11年後となる1982年、ヴェネト州在住の4人の所有者のもとを渡り歩いたとされるこの個体は、生誕の地マラネッロからわずか40kmに位置する小さな町、エミリア・ロマーニャ州カデルボスコ・ディ・ソプラに住む愛好家に所有権が移り、そののち1989年まではモデナ近郊で、定期的なメンテナンスを受けつつ過ごしたとされる。
さらに1989年3月にヴェネト州ヴィチェンツァのエンスージアストに売却された直後には、モデナの著名なスペシャリスト「アウト・ルーチェ(Autoluce S.r.l.)」に委託して、ボディ塗装をベアメタルまで剥離し、外装トリムまで取り外してリペイントもおこなわれた。
そして2000年、#00386の所有権は今回のオークション出品者であるドイツ人オーナーに譲渡。マラネッロの門をくぐって以来30年以上の時を経て、初めてイタリア国外で登録されることになった。
それからさらに約20年間、ドイツにおけるこの個体は情熱的かつ大切に保持されていたようで、近いところでは2021年12月にミュンヘン近郊イルシャーベルクの「フェラーリ・メイン・エージェント・スクーデリアGT(Ferrari Main Agents Scuderia GT)」において、冷却システムと燃料システムの両方の見直し、あるいはウォーターポンプやタコメータードライブを新品に交換するなど、6500ユーロの支払いに見合うサービスが施され、新規の「TÜV」証明書が発行されることになった。
●クラシケの認定がないフェラーリはお買い得か?
今回のオークション出品に際しては、フェラーリのオーソリティとして知られる歴史家、マルセル・マッジーニ氏による包括的なレポートが添付されており、すべての生産型ディーノの中でもっとも望ましいモデルである206GTであることは裏づけられている一方、動的なパートはしっかりメンテナンスされているという。
ただ、再塗装が施されたボディワークとは異なり、オリジナルのまま維持されてきたインテリアには若干の使用感もあるなど、いわゆる「コンクールコンディション」とはいえない。また近年のマーケットで珍重される、内外装ともに新車時代からのオリジナル性が残された歴史的「プリザーブド」でもない。
さらに、もしも「フェラーリ・クラシケ」を所得していたならば、オークションの公式WEBカタログにも重要なセールスポイントとしてアピールされるはずながら、この個体のカタログにはその記載もないことからだろうか、RMサザビーズ欧州本社では現況におけるディーノ206GTとしては少々控えめともとれる、35万~45万ユーロ(邦貨換算約4480〜5760万円)のエスティメート(推定落札価格)を設定した。
この見立てはおおむね的中だったようで、2月2日におこなわれた競売ではエスティメートを少しだけ上回る36万5000ユーロ、日本円にして約4670万円で落札されることになった。
このハンマープライスは206GTとしては、かなりリーズナブルといってよいだろう。高めの246GTにも近いものであり、もしも落札者がこれから手直ししながらじっくり付き合っていこうと考える方ならば、なかなか良い買い物をしたかとも思われるのである。
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