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フィアット新型「500e」に乗って分かったフェラーリ「ローマ」級の「甘い生活」の演出とは

アバルト「595」並の加速感の「500e」の走りとは

 新型フィアット500eは容量42kWhという、この小さなボディでは精いっぱいのリチウムイオンバッテリーを搭載するせいか、車両重量はベーシック版でもっとも軽い「Pop」でも1330kgと、これまでのコンパクトカーの常識ではかなり重め。にもかかわらず、スロットルペダルを踏み込んだ時の加速感は、かつて筆者が愛用していたアバルト500や「595」と同等。あるいは、立ち上がりから太いトルクを発生する電動モーターの特質ゆえに、アバルト以上にも感じられる。

とてもナチュラルかつ気持ちよく加速するのは、依然として人間の感覚を大切にするイタリア車ならでは
とてもナチュラルかつ気持ちよく加速するのは、依然として人間の感覚を大切にするイタリア車ならでは

●フェラーリ「ローマ」級に“ドルチェ・ヴィータな”クルマかも?

 高速道路でも街中でも充分という以上のトルク感ながら、EVにはありがちな不自然さはまったく見せることなく、とてもナチュラルかつ気持ちよく加速するのは、依然として人間の感覚を大切にするイタリア車ならではとも感じられる。大パワーによる強力な加速感をセールスポイントとする巷の高級EVたちと比べると、グッと「大人な」味つけと感じられたのだ。

 そしてこの好印象を決定づけたのは、巧みなサスチューンである。

 今回テストドライブの機会を得た「Icon」および「Open」ともに17インチのホイール/タイヤを装着しつつも、従来型500に大径ホイールを履かせたときのようなドタドタ感や、ボディ側に負担をかけていると思わせる不安要素は皆無。機構はシンプルながらよく動くサスペンションと大幅にアップしたボディ剛性のおかげで、乗り心地は非常に良い。

 また、EVゆえにエンジンにまつわる音が無いのはもちろんだが、相対的に大きく聞こえてしまうはずのロードノイズも、はるかに大きな上級車たちと同レベルにある。

 つまり、かたちこそ「チンク」のものだが、その実体は正真正銘の高級車。しかも、乗り手には相当なセンスが要求されるタイプの高級車に変身を遂げたかに感じられる。

 たとえばナポリの専門店で仕立てた「ス・ミズーラ(Su Misura:オーダーメイド)」のシルクシャツや、ムスク系のフレグランス。そして、都会の夜が似合いそうな大人のクルマ。たとえとして適切か否かはわからないが、イタリア的ドルチェ・ヴィータを演出するツールとしては、あのフェラーリ「ローマ」にも匹敵するかにさえ感じてしまったのだ。

 ただその一方で、従来型チンクの愛すべきチープなカジュアル感がいささか失われてしまったと感じるファンも少なからずいらっしゃるかもしれないが、そんな方々には、今ならまだガソリンエンジン版が併売中であることもお伝えしておきたい。

 少なくとも現状においては、選択肢が広がったと受け入れられてしかるべきと思われるのである。

●FIAT 500e Icon
フィアット500e Icon
・車両価格(消費税込):485万円
・全長:3630mm
・全幅:1685mm
・全高:1530mm
・ホイールベース:2320mm
・車両重量:1330kg
・駆動方式:前輪駆動
・電気モーター:交流同期電動機
・システムトータル定格出力:43kW
・システムトータル最高出力:87kW(118ps)
・システムトータル最大トルク:220Nm
・駆動用バッテリー:リチウムイオン電池
・総電力量:42kWh
・交流電力量消費率(WLTC):128Wh/km
・1充電走行距離(WLTC):335km
・0-100km/h:4.7秒
・最高速度:180km/h
・サスペンション:(前)マクファーソンストラット式、(後)トーションビーム式
・ブレーキ:(前)ディスク、(後)ドラム
・タイヤ:(前)205/45R17、(後)205/45R17

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