5億円オーバーは当たり前のジャガー「Dタイプ」がたったの500万円! 理由は子供向けのチルドレンズカーでした
国産車が余裕で1台購入できるチルドレンズカー
この3分の2サイズの「ジャガーDタイプ」のシート背後に搭載され、チェーンを介して後輪を駆動するパワーユニットは、アメリカ合衆国ミシガン州の空調用コンプレッサーメーカーで、今世紀初頭までは小型ガソリンエンジンなども生産していた「テカムセ(Tecumseh)」製の4ストローク単気筒エンジンだ。

●推定落札価格を大幅に上回る540万円で落札!
RMサザビーズ社の公式WEBカタログによると5.0psを発生し、同じくテカムセ社製のトランスミッションが組み合わせられる。また、実車のごとくキーで作動する電動スターターに加えて、手で引っ張るフリクション式スターターも装備されている。
一方、チューブレス式のラジアルタイヤを取り付ける10インチのホイールは、本物のDタイプにも装着されたダンロップ製アロイホイールを忠実に縮小したもの。特徴的なセンターの3本爪スピンナーも、みごとに再現されている。また、ジャガーDタイプのテクノロジー面における大きな特徴であったディスクブレーキも備えている。
そしてインテリアでは、クラシカルな鋲(びょう)を打たれたウッドリムのステアリングホイールや、高級時計のようなエンジンターンド仕上げのダッシュパネルに埋め込まれた本物のイェーガー社製メーター類が、ジャガーDタイプの持つ美しさを再現している。
これまで20年間にわたって、今回のオークション出品者のコレクションに所蔵されてきたというこのDタイプのチルドレンズカーは、近年になってリアエンドのバッテリーを新品に交換するなどのサービスを、熟練したメカニックの手で施されたとのこと。
未来のレーシングドライバーを夢見る子供たちはもちろんのこと、チルドレンズカーの高度なコレクター、あるいは、珠玉のクラシック・ジャガーを蒐集するエンスージアストにとっても、そのコレクションに加える価値は充分にあるとWEBカタログでは謳われていた。
今回の出品について、RMサザビーズ北米本社では「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」でおこなうことを決定。エスティメート(推定落札価格)は2万~3万ドルに設定。「リザーヴなし」という出品スタイルは、安値でも落札されてしまうリスクもあるものの、金額の多寡を問わず確実に落札されることから、ビッド(入札)が進むというメリットもある。
この日はメリットが充分に生かされたようで、エスティメート上限をも大きく上回る4万2000ドル、つまり日本円に換算すれば約540万円という驚きのプライスでハンマーが落とされることになったのだ。
例によって「ホンモノのクルマが買えてしまう」と評されそうな驚きの高価格は、プロポーションからディテールまで、1955年ル・マンのDタイプを再現すべく徹底的にこだわったであろうフィニッシュの良さが反映されていると見ていいだろう。
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