本物のフェラーリなら3億円オーバー! センターシートの「デイトナ スパイダー」が約250万円の秘密とは
著名なコレクターが所有していた「デイトナ ジュニアカー」の落札価格は?
2020年のVAGUEにて、オークションプレビュー/レビューの双方をお送りしたことから記憶している人も多いかもしれないが、RMサザビーズでは2020年の6月にヨーロッパ本社主体で「THE EUROPEAN SALE featuring THE PETITJEAN COLLECTION」と銘うった、オンライン限定のオークションを成功させていた。

●“映える”小さなデイトナ・スパイダーは約240万円で落札
このオークションで売られたクルマたちは、1960−70年代にかけてレーシングドライバーとしてサーキットレースやヒルクライムで大活躍し、現役引退後は自身の自動車ミュージアム開設を目指して、珠玉のスポーツカー/スーパーカーをはじめ、あらゆる乗り物を蒐集したフランス人コレクター、マルセル・プティジャン氏が出品したものである。
そして今回、オンライン/対面型の併催でおこなわれた「PARIS」オークションでは「THE PETITJEAN COLLECTION」第2弾が展開され、ひところは自身のプライベートミュージアム開設を計画していたというプティジャン氏の膨大な所有車両の中から、フェラーリを中心とするコレクションが放出されることになった。
このハリントン・デイトナも、いずれは博物館の小道具的にディスプレイされることを目的として購入したものと思われるのだが、たしかにこの完成度の高さはミュージアムでホンモノのフェラーリと並べたなら、間違いなく「映える」ことだろう。
大人でも乗り降りをしやすくするためか、本物のデイトナの特徴である強く後傾したウインドシールドは少々武骨なスタイルとなってしまっているものの、プレクシグラスで覆われたヘッドライトが際立つ鋭いノーズ、エレガントなサイドビュー、有名な「デイトナ・パターン」を模したレザーシート、そしてボラーニ社製ワイヤホイールを模したセンターロック式ホイールなど、フェラーリ「365GTS/4デイトナ・スパイダー」の魅力が巧みに表現されているかに映る。
また、2021年に製作された事実上の新車であることから、内外装からメカニカルパートに至るまで、コンディションは極上といえるだろう。
今回のオークション出品について、RMサザビーズ欧州本社では出品者であるプティジャン・コレクションとの協議の結果「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」でおこなうことを決定。エスティメート(推定落札価格)は、このところのチルドレンズ・カー相場では一般的な2万~3万ユーロに設定していた。
この「リザーヴなし」という出品スタイルは、金額の多寡を問わず確実に落札されることから、ビッド(入札)が進んで価格が跳ね上がることもあるというメリットもある一方で、出品者が予期しない安値でも落札されてしまうリスクもある。
残念なことに、この日は売り手側の期待が裏目に出てしまったようで、競売が終わってみればエスティメート下限に満たない1万8600ユーロ(邦貨換算約258万円)での落札となった。
それでも、もはやチルドレンズ・カーを語る際の決まり文句となった「ホンモノのクルマが買える価格」には到達しているのだから、やはりこの商品ジャンルが世界のコレクターたちにとって魅力的であることは、2022年の市場でも大きく変わりはないようだ。
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