そもそもリコール制度は消費者の保護にあるもの
製品の「リコール」には、どうしてもネガティブなイメージがあるかもしれない。だが、そもそもリコールとは、事故やトラブルを防ぐために自動車メーカーが自ら回収・修理を無料でおこなう制度のことで、リコール制度が消費者の保護につながっていることをまず強調しておきたい。そんなリコールにまつわる気になる話題をアメリカで見つけた。

●「ウラカン」と「R8」に北米でリコール
ランボルギーニ「ウラカンEVO」、「ウラカンSTO」(計9台)ならびにアウディ「R8」、「R8スパイダー」(計8台)に規定量のトランスミッション・フルードが入っていない恐れがある、としてリコールが出されたのだ。オーナーには手紙が送られ、準備が整い次第、最寄りのディーラーでリコール作業を受けることができる。
自動車メーカーでは、一般的に品質管理のためのEoL(End of Line:生産ライン)テストなるものを実施している。これは、振動音響測定などにより各コンポーネントのプロパティを正確に特定し、不具合がないかを判定するもの。
アウディとランボルギーニがNHTSA(米国運輸省道路交通安全局)に提出した書類によると、2021年11月17日~12月にかけてEoLが実施された。そしてこのEoLにおいて、トランスミッションから異常値が検知されたため、トランスミッションは調査のためサプライヤーへ送り返された。2022年1月~3月、サプライヤーが送り返されたトランスミッション・フルード充填の計測器から不具合を見つけ、トランスミッションの生産ラインは停止、規定量のフルードが入っていないトランスミッションの割り出しがおこなわれた。
多くのメーカーでは、車両の各パーツにQRコードを貼り付けて、一元管理している。大量に製造したトランスミッションから問題の品を割り出せたのもQRコードのおかげだ。PC内に保存した写真すら管理できていない筆者としては……、ただただ感心してしまう。
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