VAGUE(ヴァーグ)

VWゴルフやプジョー308は新鮮味に欠けるって人に! 「DS4」は世界一美しいフランス発の個性派ラグジュアリー

将来的に“DSらしいフィール”といわれるであろう特徴的な乗り味

 そんなDS4は、乗り味だってなかなかのレベルにある。

DSオートモビルのCセグメントハッチバック「DS4」
DSオートモビルのCセグメントハッチバック「DS4」

 旧グループPSAの“EMP2”をベースに、70%ほどの部分に手が加えられた進化版であり最新版でもあるプラットフォームに組み合わせられるのは、日本では3種類のパワートレイン。“ピュアテック”と呼ばれる1.2リッターガソリンターボ、“ブルーHDi”と呼ばれる1.5リッターのディーゼルターボ、そして“E-TENSE”と呼ばれる1.6リッターガソリンターボに電動モーターを備えたプラグインハイブリッドだ。

 現時点でE-TENSEはまだ上陸していないので、ピュアテックとブルーHDiに関してお伝えするならば、どちらを選ぶべきかは好みによる、ということでお許しいただきたい。どちらも結構、熟成が進んだエンジンで、アラらしいアラが見当たらず、走っていると双方の優れた点ばかりが浮き彫りになるような感じだからだ。

 ピュアテックは1.2リッター3気筒、130psに230Nmという数値だけ聞くと心許ないように思える。確かに力強さという点ではディーゼルのブルーHDiにひけを取っているのだが、不足があるかといえばそんなこともないし、アイドリングからとてもなめらかで上質な回転フィールを感じさせながらスルスルと速度を上げていく。それがなんだか心地いい。得られる加速感も速度も弱そうなスペックから想像するのとは違っていて、高速巡航もまったく苦手分野じゃない。スポーティといったらさすがにホメ過ぎだろうが、意外と速いのだ。さすがはインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーの1〜1.4リッター部門を2015年から4年連続で制しただけある。

 もう一方のブルーHDiも、出来は秀逸だと思う。欧州では昔から小排気量ディーゼルエンジン+ターボの需要が高かったこともあって、開発に手を抜くことなんてあり得ないということもあるのだろう。発進時からたっぷりとしたトルクを感じさせてくれて、加速は力強さに満ちてるし、意外やガソリンエンジン+ターボよりも全体的に活発な印象。ワインディングロードもそこそこ楽しめるし、高速道路では悠々としたクルージングすら味わえる。ただひとつ気になったのは、ほかのDSやプジョー、シトロエンなどではほとんど気にならなかったディーゼル特有のサウンドが、DS4ではほんの少し耳障りに聞こえたこと。DS4の室内は基本的にかなり静かな部類だし、インテリアにも独特の高級感がある。そこにいるからこそ気になったという面はあるのかもしれない。

 乗り心地も十分満足できる快適さだった。試乗したのはピュアテック、ブルーHDiともに上級グレードの「リヴォリ」だったが、同グレードには赤外線カメラと電子制御可変ダンパーを組み合わせた“アクティブスキャンサスペンション”が標準装備されている。走行モードを「コンフォート」にすると作動するそのシステムの働きが、なかなかいいのだ。荒れた路面やうねりがあるところなどでは、シトロエンのように柔軟にいなす。かといって、常にシトロエンほどフワッとやわらかいわけでもない。しっとりしなやかな落ち着きを感じさせる大人っぽい乗り味が心地よくて、もしかしたら今後、それが“DSらしいフィール”といわれるようになっていくのかもしれない。

DSオートモビルのCセグメントハッチバック「DS4」
DSオートモビルのCセグメントハッチバック「DS4」

 一方で走行モードを「スポーツ」へと切り替えれば、これまたスポーティといったらホメ過ぎではあるけれど、峠道をそこそこのペースで楽しく走り抜けるくらいは楽々、である。エンジン重量の軽いピュアテックの方が鼻先の入りがよくて軽快な印象が強く、逆に50kgほど重いブルーHDiの方は余裕あるエンジンの力強さを活かした素早いコーナーからの立ち上がりが楽しい、というような違いはあるが、どちらも曲がりっぷりに不満はない。これも好みの問題だろう。

 ピュアテックとブルーHDiのどちらを選んでも満足感は高いと思うが、どちらを選ぶかとなると悩ましい。僕なら室内に入ってくるエンジンサウンドの音質と鼻先の入りがいいという点でピュアテックを選ぶことになるかもしれない。

 そして、ピュアテックもブルーHDiもどちらも魅力的なのだけど、最良のDS4はどれかということになると、さらに話が難しくなってくる。プラグインハイブリッドのE-TENSEがごくごく近い将来、上陸予定だということを忘れてはいけない。実は皆さんに先駆けてフランス本国で試乗してきた僕は、その素晴らしさを確認してるのだ。さすがに話が長くなるので、そのときの印象は近いうちにまたあらためて……。

●DS4 RIVOLI PureTech
DS4 リヴォリ ピュアテック
・車両価格(消費税込):449万円
・全長:4415mm
・全幅:1830mm
・全高:1495mm
・ホイールベース:2680mm
・車両重量:1420kg
・エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ
・排気量:1199cc
・駆動方式:FF
・変速機:8速AT
・最高出力:130ps/5000rpm
・最大トルク:230Nm/1750rpm
・燃料消費率(WLTC):17.7km/L
・サスペンション:(前)ストラット式、(後)トーションビーム式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ディスク
・タイヤ:(前)205/55R19、(後)205/55R19

>> シトロエン・DS4 の中古車をさがす

Gallery 【画像】シックなエレガンスを志向するフランスらしい高級車「DS4」を写真で見る(33枚)
今しか買えない! 少量限定のプレミアムタイヤとは
浅草の職人魂から生まれた「KIWAME TOKYO ASAKUSA」 どんな腕時計?

page

  • 1
  • 2

VAGUEからのオススメ

タイヤの選び方が変わるーーデザインによる世界観の表現と性能とを両立したブリヂストン REGNO「GR-XIII B Edition」で“大人のドレスアップ”【PR】

タイヤの選び方が変わるーーデザインによる世界観の表現と性能とを両立したブリヂストン REGNO「GR-XIII B Edition」で“大人のドレスアップ”【PR】

RECOMMEND