レクサス新型「RX」初試乗! ブランド力や走りなど「現代に求められる要素を全網羅」した意欲作の進化とは?
フルモデルチェンジを果たしてもRXはやはりRX
8月の最終週に、カリフォルニアのサンタバーバラを起点におこなわれたレクサス「RX」の国際試乗会。まずステアリングを握った「RX450h+」で走り出して、ほどなくして感じたのは、ホッとしたような気持ちだった。RXは大きく進化していたが、それでもやはり、ちゃんとRXだったからだ。

すでに日本国内でのお披露目の場で対面済みだった新型レクサスRXだが、あらためて眺めるとその姿は、これまでよりも俄然、走りのよさを想起させるものだった。4890mmの全長は従来モデルと変わらないが、ホイールベースは60mm伸ばされている。削り取られたのはリアのオーバーハング。加えて、ノーズ前端が立てられ、Aピラーが手前に引かれたことで、サイドビューはより前進感のあるものになった。
全幅は25mm増の1920mmとなり、トレッドはリアで45mmも拡大。スタンスは明らかによくなっている。抑揚に富んだボディラインは、とくにこのフェンダー辺りの艶めかしくも力強い曲面が印象的で、これまでのRXにはなかったアスリートの匂いが感じられるのだ。
デザインでは、やはりフロントマスクに目がいく。とくに、ボディとシームレスに続く造形とされたグリルの表現は斬新だ。内燃エンジン車の時代にはグリルの大きさが内に秘めたエンジンの力を誇示する面もあったが、電動化時代になると表現は変わってくるはずで、いまはその過渡期といえる。ハイブリッドを主軸に据えた新型RXの顔つきは、そんな時代性が色濃く映し出されたものに思えた。
クーペライクに寝かされたリアウインドウや、先代から用いられているフローティングピラーなども、RXのアイデンティティ。おかげで体格は引き締まったけれど、しっかりRXに見えるエクステリアとなっている。
インテリアは「NX」に続いて“TAZUNAコンセプト”と呼ばれる、操作系を手元周辺にまとめて大型ヘッドアップディスプレイとの連携で操作するロジックが採用されている。センターコンソールには14インチの大画面タッチスクリーンが据えつけられているが、こちらの操作感、グラフィックについては改善の余地アリ。まったく新しいシステムなのはわかるが、プレミアムカーへの期待値には届いていない。
それでも内装の雰囲気自体は上々で、なかでも左右ドアからダッシュボードまでトリムが連続したような造形が描き出すワイド感が心地いい。広さも申し分なし。とくにリアシートは、ホイールベース延長や前席バックレストの薄肉化などにより、居住性が目に見えて改善されている。

また、これもNXに続く採用となる“e-ラッチ”によって、ドアの開閉を上品な所作でおこなえるようになったのも朗報。これだけでクルマ全体の上質感が高まったようにすら感じられるのだ。
走りの素性も徹底的に鍛え上げられている。プラットフォームはNXなども使う“GA-K”の改良版で、新開発のリアマルチリンクサスペンションに合わせて、とくにボディ後半部の剛性アップが図られたという。ダンパーを立ててスムーズに動かし、その入力をボディがしっかり受け止めるという方向である。
パワートレインは4種類で、そのうち3つがハイブリッド。2.5リッター直列4気筒エンジン+電気モーターの「RX350h」、これをPHEV化したRX450h+、そして、前輪を2.4リッター直列4気筒ターボエンジン+6速AT+1モーターで、後輪を高出力電気モーターを使った“eAxle”にて駆動する「RX500h“F SPORT Performance(Fスポーツ パフォーマンス)”」が用意される。加えて、2.4リッターのガソリンターボエンジンを積む「RX350」という設定だ。
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