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ホンダの新世代“最速マシン”を鈴鹿サーキットで満喫! 新型「シビックタイプR」の走りは何がスゴい?

タイプR史上最高の販売台数を記録した先代モデル

 ホンダの新型「シビックタイプR」を世界に名だたる難コースでドライブすることができた。

F1などでおなじみの難コースでもねらったラインを容易にトレースでき、攻めるほどに安定感が増す感触に思わずペースが上がってしまうホンダ「シビックタイプR」
F1などでおなじみの難コースでもねらったラインを容易にトレースでき、攻めるほどに安定感が増す感触に思わずペースが上がってしまうホンダ「シビックタイプR」

 ホンダにおいてタイプRの歴史の扉が開いたのは1992年。ストイックなまでに走りだけを突き詰めた「NSXタイプR」の登場は鮮烈なものだった。

 その後も数年ごとに投入されていったタイプRだが、走り一辺倒のスパルタンな存在は世間のニーズと微妙にズレてきてしまったのか、徐々に市場は縮小していった。

 そんなタイプRの復権を成し遂げたのが、2017年に登場した先代のシビックタイプRだ。サーキットでのパフォーマンス追求はもちろんのこと、いわゆるGT性能も同時に高めた、ホンダみずからが“第2世代タイプR”とうたう“アルティメットFFスポーツ”は、初上陸となったアメリカ市場を筆頭に大ヒットとなり、結果的にタイプR史上最高の販売台数を記録したのだ。

 新型シビックタイプRも、コンセプトはその延長線上にある。つまり、速さを研ぎ澄ませるだけでなく、高い快適性も洗練度も備えたスポーツモデルだ。実車を見れば、そんな思いは一目瞭然で伝わってくる。

 たとえば、フロントマスクはベース車よりもノーズが前方に伸ばされ、より低くワイドになっている。グリルの開口部はワイド感を強調しながらもドラッグを増やさない形状に。決して顔中“穴ボコ”だらけにはなっていない。

 また、従来はワイドタイヤに対応するべくリアフェンダーにエクステンションがつけられていたが、新型ではボディパネル一体型のワイドフェンダーが与えられている。張り出し量はなんと片側40mmである。さらに、そのフェンダーはヘミング、要するに爪折り加工されていて、19インチのタイヤ&ホイールがギリギリまで張り出したかたちで収まる。

 こんな具合に、すべてのデザインは機能から導かれており、また同時に、そのすべてが入念につくり込まれている。漂う“いいモノ感”は、そのおかげだろう。

 鮮烈な赤をフロントシート、そしてカーペットに使う一方、リアシートはブラックとしたインテリアは、まさに前席優先の空間。バケットタイプのシートに腰を下ろせば自然と気分がたかぶってくる。目の前には専用のメーターディスプレイ。通常の「COMFORT」や「SPORT」モードでも320km/hスケールのスピードメーターがやる気をみなぎらせているが、サーキットユースの「+Rモード」では中央にギア位置が表示され、レブインジケーターはバーグラフ式となるなど、より実戦的な表示となる。

F1などでおなじみの難コースでもねらったラインを容易にトレースでき、攻めるほどに安定感が増す感触に思わずペースが上がってしまうホンダ「シビックタイプR」
F1などでおなじみの難コースでもねらったラインを容易にトレースでき、攻めるほどに安定感が増す感触に思わずペースが上がってしまうホンダ「シビックタイプR」

 一方、ハードウェアはまさしく正常進化である。エンジンは2リッター直列4気筒VTECターボで、最高出力330ps、最大トルク420Nmを発生する。数値的には従来モデルに比べて10ps、20Nmの向上に過ぎないが、ターボチャージャーの効率アップとイナーシャ低減、吸排気系の流量アップなどによりレスポンスを高めている。

 トランスミッションは6速マニュアルのみ。開発責任者いわく、それ以外の選択肢は一顧だにしなかったという。

 車体は、新世代プラットフォームを用いた上で、樹脂製テールゲートの採用などで軽量化を推進する一方、構造用接着剤の塗布長を従来比3.8倍にするなどして剛性アップも図っている。

 そして空力。専用のフロントバンパー、アンダーカバー、フード、サイドシルガーニッシュ、リアディフューザー、リアスポイラーといったパーツにより絶対的なダウンフォースを高めるのみならず、操縦安定性にも寄与し、また前後バランスも向上させている。

 サスペンションは、フロントにキングピン軸のオフセットを縮小してトルクステアを減らす“デュアルアクシスストラット”を用いるのが特徴。今回はキャンバー剛性も大幅に高められている。リアサスペンションはマルチリンク。電子制御式ダンパーも搭載される。

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