ホンダの新世代“最速マシン”を鈴鹿サーキットで満喫! 新型「シビックタイプR」の走りは何がスゴい?
あの鈴鹿の第1コーナーにも自信を持って切り込める
新型シビックタイプRの試乗の舞台となったのは、あの鈴鹿サーキットだ。

新型タイプRはここで、2分23秒120という前輪駆動車最速タイムを記録している。先代のリミテッドエディションに対して0.9秒速いこのタイムは、サーキット走行を主眼とする販売店オプションのミシュラン「パイロットスポーツ カップ2コネクト」を履いて出したもので、試乗車も同じタイヤを履いていた。
走行モードを「+Rモード」にし、ピットレーンをあとに。2リッターのVTECターボエンジンは低回転域から密度の濃いトルク感を発生し、そのまま高回転域までよどみなく回る。最高出力の330psを6500rpmで発生した後も勢いが衰えることはなく、7500rpmのレブリミットまでは、まさに一気だ。
しかも、そこに“アクティブエグゾーストバルブ”、そして電子音の演出で、室内には勇ましいサウンドが響き渡る。実際のトルクカーブは比較的フラットなだけに少々やりすぎかな、とも思いつつ、高回転域での高周波のサウンドには引き込まれるものがあり、ついアクセルを踏み込んでしまう。
先代でも快感だった6速MTのシフトフィールは、剛性、節度感などがさらに磨き上げられ、操作それ自体が気持ちいいものに仕上がっている。シフトダウン時の回転合わせを自動でやってくれる“レブマッチシステム”は、今回さらにスピードと精度がアップ。あわただしく変速を繰り返すサーキットではとりわけ有効に感じられた。
あるいは、それ以上に感心させられたのはフットワークの方かもしれない。ステアリングを通して感じられるフロントサスペンションの剛性感は驚きのレベルで、実際に操舵に対するレスポンスはきわめて正確。自信をもって切り込んでいける。しかも、リアのスタビリティが際立って高いから、鈴鹿サーキットの第1コーナーのような下りの高速コーナーでも「すべり出すかも……」と恐れることなく進入していけるのだ。
また、S字から逆バンクのような右に左に連続して切り返す場面でも、ねらったラインをトレースするのは容易。仮にクリッピングポイントを外しそうなときにも、アクセルやステアリングでのライン修正の幅がしっかり確保されていて、まるで幅広い平均台に乗っているかのように安心して攻め立てることができる。縁石に大胆に乗ってもビクともしない懐の深いシャシーとボディ、おそらく空力の力が大きいに違いない、攻めるほどにむしろ安定感が増してくるかのような感触により、思わずペースが上がってしまった。

F1などでもおなじみの通り、鈴鹿サーキットは非常に難しく、クルマにかかる負荷も大きいコースである。そこで新しいシビックタイプRは、何周にも渡ってへこたれることなく、思う存分走りの歓びを堪能させてくれた。いやはや、よく出来ている。もっともっと走りたいという気持ちになる。
ただし欲をいえば、「こうやって走らせると速い」みたいなツボが、もっと明確でもいいかもしれない。タイムを出すには余計なことかもしれないが、レーシングカーではないのだから、タイプR固有の乗りこなしの楽しみがもっと深く濃くあってもいい。それがいわゆる味というものになるはずだ。
●HONDA CIVIC TYPE R
ホンダ シビックタイプR
・車両価格(消費税込):499万7300円
・全長:4595mm
・全幅:1890mm
・全高:1405mm
・ホイールベース:2735mm
・車両重量:1430kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
・排気量:1995cc
・変速機:6速MT
・最高出力:330ps/6500rpm
・最大トルク:420Nm/2600〜4000rpm
・駆動方式:FWD
・サスペンション:(前)ストラット式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッドディスク、(後)ディスク
・タイヤ:(前)265/30ZR19、(後)265/30ZR19
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