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装着すると走り味が変わる! SUVもセダンのよう!? ヤマハ4輪&2輪用「パフォーマンスダンパー」のスゴさとは

トヨタ「2000GT」から始まったヤマハと4輪の関わり

 ヤマハ発動機といえば、世界に冠たる2輪メーカー。しかしそのヤマハが、4輪(自動車)の世界にも深く関わっているのをご存知だろうか。

パフォーマンスダンパーがついた車両は段差などを乗り越えた際のショックがやわらかく、振動の収まりが明らかに早い
パフォーマンスダンパーがついた車両は段差などを乗り越えた際のショックがやわらかく、振動の収まりが明らかに早い

 そのルーツは、1967年に発売された伝説的スポーツカー、トヨタ「2000GT」にさかのぼる。当時の国産車としては破格の高性能を発揮した2リッター直列6気筒DOHCエンジンは、ヤマハの協力により開発されたというのはクルマ好きにはよく知られる話だ。また、2011年に発売されたレクサスのスーパースポーツカー「LFA」に積まれた4.8リッターV型10気筒エンジンも、トヨタとヤマハの共同開発によるものだった。

 そうした高性能エンジンの開発を手がけてきたヤマハは、そのパフォーマンスを引き出すのに必要なシャシー(車台)技術についても、長年研究を続けてきた。そして生まれたのが、車体の振動やねじれなどを吸収する「パフォーマンスダンパー(以下、PD)」である。これを車体(前後2か所)に取りつけることで、走行中の快適性がアップし、操縦性や安定性も向上するという。

●大型SUVでもセダンのような走行安定性を実現

 そのPDの体験試乗会が、箱根ターンパイクを舞台におこなわれたので参加してきた。会場にはセダン、SUV、ミニバンなどタイプの異なる試乗車が用意され、それぞれノーマル車とPDつきを乗り比べられるようになっていた。

 PDの“あり”と“なし”に交互に乗り比べることで、その違いをはっきりと体感できた。最初に乗ったのは、セダンのレクサス「GS350」だったが、PDつきは走り出した瞬間、ステアリングの手応えがしっかりしていて重厚感があると感じられた。段差などを乗り越えた際のショックがやわらかく、ノーマルが「ガツン」だとしたらPDつきは「コトン」という感じに。また、段差があるところや路面の悪いところを走ると車体がブルンと震えるが、PDつきは振動の収まりが明らかに早い。

 米国で販売される大型SUV・トヨタ「4ランナー」のPDつきに試乗したときは、車高が高いヘビー級の巨体にもかかわらず、セダンのような安定感で山道を走れたのに驚いた。正直、この持ち手のついた“棒”のようなパーツを装着するだけで、これほど乗り味が変わるのかと関心させられた。

●カーオーディオの音質も向上し、乗りもの酔いも改善!?

 ヤマハのエンジニアによれば、PD装着によるメリットは乗り心地や走行安定性の向上だけでなく、タイヤ摩耗の低減や走行ノイズの低減、さらには、カーオーディオの音質向上(!)にまで効果があるという。また装着したユーザーからは、車体の揺れや振動が少なくなることで同乗者の乗りもの酔いが改善されたとか、長時間運転での疲れが少なくなったなどの声もあがっているそうだ。

 PDはトヨタやレクサスの一部車種に標準装着されているほか、アフターパーツとしても展開されている。対応車種はトヨタ、レクサス、ホンダ、スズキ、スバル、三菱、および輸入車のいくつかのブランドの一部車種に限られるが(詳細はホームページなどで確認を)、価格は数万円から10万円程度と意外にリーズナブル。その効果を考えれば、コストパフォーマンスはとても高いと思える。調べてみると自分の愛車(スズキ「ジムニー」)も対応車種だったので、思わず装着してみようかな……と本気で考えてしまった。

 ちなみにPDは2輪用も用意されているため、ドライバーだけでなくライダーも要チェックだ。

Gallery 【画像】つけるだけで乗り味が変わる! ヤマハ「パフォーマンスダンパー」の実力を写真で見る(7枚)

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