走り味は“パーフェクトスムーズ”のひと言! BMW「M仕様」初の電動モデル「i4 M50」の気になる完成度とは
そのスペックはほぼ「M8」レベル
「4シリーズ グランクーペ」のスタイルはそのままに、フルバッテリー駆動モデルとしたEV(電気自動車)がBMWの「i4 M50」だ。そのスペックは、ハイエンドスポーツカーである「M8」にほぼ匹敵するレベルであり、まさに“M”の名を冠するにふさわしい。
既存のモデルをベースとするにもかかわらず、エンジン車と同等の完全な重量バランスを手に入れたその走り味は「さすがBMWのM」とうならされるものだった。

“M50”というネーミングとひかえめなエアロパッケージ、そして車両本体価格から想像できるとおり、i4 M50はエンジン車でいうところの「Mパフォーマンス」レベルだろう。パフォーマンススペックだけを見れば確かに「M4」を大きく上回っているけれども、ICE(内燃機関)とEVを単にパフォーマンススペックのみで比較してしまうと、それぞれの本質を見誤ってしまうことになる。2000馬力をうたうEVのスーパースポーツを1000馬力のエンジンカーと単純に比較してはいけないのだ。
なんていうことは頭で理解しているつもりでも、明らかにM4を上回るi4 M50の加速パフォーマンスをひとたび体感すると、思わず「おー!」と叫んでしまう。もっとも、思わず笑ってしまうほどのカタパルト的な加速フィールはEVに共通する特徴であり、個人的には何度も試してみたいとは思わない。むち打ちになる危険が増すだけだ。“ただ速いだけ”で何度試しても同じ。そこもまたエンジン車とはまるで異なるデジタルフィールだろう。EVの強烈な加速フィールをいつまでもありがたがる風潮はいかがなものか。
そもそも、バッテリー+電気モーターのパワートレインでは、瞬間的なトルクの立ち上がりを容易に実現できてしまう。当たり前、なのだ。むしろ難しいことは、瞬間的に立ち上がろうとするトルクをいかに緻密に、そして安全に制御してドライバーを気持ちのいいドライブへと誘うか、なのだ。
この点において、i4 M50はさすがによくできていた。微妙な右足の操作でモーター出力をコントロールできる。そして、明らかにどっしりと静かに走り出した街中での快適性は、M4どころかエンジンを搭載するノーマルの4シリーズ グランクーペにも勝っている。新しいコンセプトのクルマを買ったという満足感をドライブフィールから得ることができるのだ。コックピットパネルのディテール以外はすっかり見慣れた4シリーズ グランクーペのそれだから、新しさと落ち着きを同時に感じさせてくれるといっていい。
●ドライバーと車体との一体感はさすがBMW
そして「BMWらしい」と最も感じたのが、ドライバーと車体との一体感だった。
重いEVはどうしても、この一体感を得ることが難しい。代わりに重厚感を得ているといってもいい。けれどもi4 M50の場合、バッテリーを構造物としても活用するレイアウトが、前後重量配分と車体のしっかり感に大いに寄与している。その上、動き一々に雑味がなかった。“パーフェクトスムーズ”なドライブフィールである。
もっとも、そのあまりに雑味のないドライブフィールが、ICE、特にBMWのストレート6に慣れ親しんだ身としては少々物足りなく感じたのも事実だ。シルキーシックスが恋しくなる。いや、シルキーシックスはもう昔の話だったか……。そう考えると、EVはやはり完全なる自動車へ向けて前進する存在だとも思えてくる。
いってみれば、未来の先取り。完全にバランスされたドライブフィールを4シリーズ グランクーペのカタチで味わってみることは、いちクルマ好きとして貴重な経験となるはずだ。
●BMW i4 M50
BMW i4 M50
・価格(消費税込):1080万円
・全長:4785mm
・全幅:1850mm
・全高:1455mm
・ホイールベース:2855mm
・車両重量:2240kg
・駆動方式:4WD
・電気モーター:交流同期電動機
・フロントモーター最高出力:258ps(190kW)/8000rpm
・フロントモーター最大トルク:37.2kgf(365Nm)/0〜5000rpm
・リアモーター最高出力:313ps(230kW)/8000rpm
・リアモーター最大トルク:43.8kgf(430Nm)/0〜5000rpm
・システム最高出力:544ps(400kW)
・システム最大トルク:81.1kgf(795Nm)
・駆動用バッテリー:リチウムイオン電池
・総電力量:83.9kWh
・1充電走行距離(WLTC):546km
・サスペンション:(前)ストラット式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ベンチレーテッド・ディスク
・タイヤ:(前)245/40R19、(後)255/40R19
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