日本の伝統工芸が随所に詰め込まれたレクサス「LS」 エクステリア&インテリアのこだわり抜いた表現とは
レクサス「LS」に設定される日本の伝統工芸とは
レクサスのフラッグシップセダンとなる「LS」には、日本の伝統工芸から着想を得たインテリアデザインが採用されている。
その象徴となるのが、エクステリアカラーの「銀影(ぎんえい)ラスター」と、インテリアのオーナメントに採用された西陣織の銀糸とプラチナ箔だが、どのような特徴があるのか、今一度見ていきたい。

LSは、1989年に初代モデルが発売され、圧倒的な静粛性と快適性に関して高い評価をい受け、今日のレクサスブランドの礎を築いた象徴的なモデルだ。
歴代モデルに対して、Chief Branding Officer/Master Driverの豊田章男氏は「常にイノベーションの精神を貫き、その時代に新たな技術や価値を提供することで変革を起こすクルマ」と語っていた。
現行モデルは、2017年にフルモデルチェンジした5代目となり、斬新なクーペシルエットやエモーショナルな走りを実現。
また2020年には大幅に手を加えたマイナーチェンジを実施したが、この際に今回のテーマとなるエクステリアとインテリアはこのタイミングで採用された。
エクステリアには、ハイライトの美しい輝きと奥行きを感じる深い陰影感を特徴とするシルバーのカラーとなる「銀影ラスター」を新規開発。
このシルバーは色を質感として感じ取りやすいため、カラーデザインの本質を追求するレクサスにとって重要なカラーとなる。
さらに最新のシルバーとして、光輝材(アルミフレーク)を含んだ塗料の体積を凝縮させる「ソニック工法」を応用することで、アルミ蒸着を高密度で敷き詰める最新の塗装技術を採用した。
これにより、鏡面のように粒子感をほとんど感じさせない滑らかな質感で、周囲の僅かな光も繊細にとらえ、時の移ろいや変化に呼応した表情を見せる。
この銀影ラスターと合わせてコーディネートされたのが、インテリアのオーナメントに西陣&箔を設定したこと。
具体的には西陣織の銀糸やプラチナ箔の輝きにより、今回のエクステリア&インテリアのテーマでもある月明りに照らされた波の揺らぎによる「月の道」を表現したという。
西陣は、元禄元年創業の老舗織屋との協議により製作された。古来より西陣織には「引き箔」と呼ばれる引き箔糸を使った装飾技法が存在。LSででは銀の引き箔糸を使い織機で織り上げており、このLSのインテリアに採用されたことで世界で初めて西陣織の量産化が可能になったという。
またプラチナ箔は、石川県金沢を代表する伝統工芸となる「金箔」職人の手で金属を1、2mmという極限の薄さまで延ばす箔打ち技術によって生み出される。
LSのドアトリムには、このプラチナ箔を1枚1枚敷き詰めながら全体で1枚に見えるように貼り付けていく専門の職人によってまるで夜の波を照らす月を表現したようだ。
このように細かな部分までこだわったインテリアデザインに関して、発表当時に担当した北村陽一朗氏は次のように述べている。
「カラーデザインでは、我々のデザイン思想にある日本独自の美意識に由来した『Time in Design』という考え方を追求することで、今一度LEXUSのフラッグシップの在り方を示し、LSならではの価値を高めたいと考えました。
Time in Designとは、時の移ろいや環境の変化の中で、その時々の美しさを感じられる日本ならではの美意識を表した考え方です。
新型LSでは、この考え方を具現化する『月の道』という美しい情景をモチーフに、それを見立てた内外コーディネートを採用しました。
月の道とは、満月の前後数日間にだけ見ることができる神秘的な自然現象です。
月明りが海面上で細長い道となり、照らされた波の揺らぎによる繊細なグラデーションが人を魅了します。
僅かな光の変化で豊かな表情を浮かび上がらせ、存在感を感じて頂ける魅力的なカラーデザインとコーディネートにより、心地良いくつろぎの空間と、唯一無二の移動体験の提供を目指しました」
※ ※ ※
実車を見れば銀影ラスターは太陽が当たる時と、日陰など暗がりの時でその表情は一変するが、どちらにしても引き込まれる色合いとなる。
一方でインテリアの質感を高める価値を持つ西陣&プラチナ箔は、前後席のドアオーナメントに採用されるが、とくに後席に着座したすると日本の伝統工芸に包み込まれた感覚を覚えます。
こうしたレクサスのフラッグシップセダンとして譲れない質感という部分で際立った銀影ラスターと西陣&プラチナ箔。
その評価は高く、日本流行色協会(JAFCA)が主催する優れたモビリティのカラーデザインを顕彰する制度 「オートカラーアウォード2021」においてグランプリを受賞するという評価を受けたのだ。
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