スーパーカー譲りのエンジンは530馬力を発生! マセラティ「グレカーレ」の最強グレードは最高速285km/hをマークする驚速SUV
絶品といっていいほどの出来栄えを誇る“ネットゥーノ”
日本の新車販売が3年連続で増加しているマセラティ。なかでも昨今の盛況を後押ししているのが、ミッドサイズSUVの「グレカーレ」でしょう。
すでに先日、グレカーレの「GT」と「モデナ」という2グレードの試乗レポートをお届けしましたが、その中で僕は「マセラティらしさ」について、エレガントであること、スポーティかつハイパフォーマンスであること、そしてセンシュアル(官能的)であること、と述べています。
それは、自動車メディアに長いこと携わってきて、30年以上も前からずっと感じてきたこと。そして、その色合いが最も濃密なグレカーレが、やはりラインナップのトップエンドに位置するグレード「トロフェオ」でした。

2リッター4気筒ターボ+マイルドハイブリッドを搭載する「GT」と「モデナ」は、思いのほかマセラティらしさを感じさせてくれる仕上がりで、これで十分だとすら思えたものでした。しかし、その後にステアリングを握った「トロフェオ」は、同じベクトルにありながらも別格といえるほどの出来栄えだったのです。
その最も大きな理由はパワートレイン。「トロフェオ」はグレカーレのラインナップ中で唯一、3リッターV6ツインターボを搭載しています。しかもそれは、マセラティがほぼ40年ぶりにリリースしたミッドシップのスーパーカー「MC20」に搭載されるのと同じ“ネットゥーノ”と呼ばれる最新ユニットです。
最高出力530ps/6500rpm、最大トルク620Nm/3000〜5500rpmというスペックは、MC20に比べて100psと110Nmほど小さく、最高出力の発生回転数は1000rpm低くなってるのですが、それはSUVというカテゴリーに合わせてしっかりチューニングし直されたため。あちらは2シーターで実用性よりもとにかく走りのスポーツカー、こちらは家族や荷物を乗せることもあるSUVだけに、求められるものが異なるわけですね。

この“ネットゥーノ”エンジン、実に気持ちいいのです。少し前のモデルまで、マセラティのエンジン=フェラーリのエンジン=快感エンジン、という方程式が成り立っていましたが、もはやそれは過去の話。この“ネットゥーノ”は完全にマセラティが設計し、マセラティが開発し、マセラティがチューニングしている自社製エンジンです。
これが絶品といっていいほどの出来栄え。まず、サウンドが素晴らしい。どちらかといえば男性的な音質ではあるのですが、回転が上がるにつれて透明度を増し、アクセルペダルというタクトに合わせて自在にオクターブを変えながら美しく歌い、聴く者の心をとろけさせていくのです。
音フェチである僕は、それだけで魅了されました。フェラーリエンジン時代のマセラティに対し、全くひけを取ってないのです。電動化が進む時代にこうした内燃エンジンをわざわざ独自開発して世に送り出したことに、マセラティの矜恃を感じざるを得ません。
●“ネットゥーノ”を味わうために「トロフェオ」を選ぶ
もちろん“ネットゥーノ”の魅力はサウンドだけじゃありません。吹け上がりはすばやくなめらかで俊敏、トルクは豊かで柔軟性に富み、どこからでも即座にパワーを解き放ち、思いのままにスピードを手に入れていくかのよう。2トンの車重をものともせず、極めて軽々と、ときとして鋭く走らせます。
その際、ドライバーはまるでスポーツカーに乗ってるかのような錯覚すら感じてしまうほどで、それも含めてなんだかものすごくドラマティック。このエンジンを味わうためだけに「トロフェオ」を選ぶ価値は十分あるとすら感じます。
「GT」と「モデナ」の2リッター4気筒ターボ+マイルドハイブリッドにも驚かされたし感銘を受けましたが、一番はどれ? とたずねられたら、僕は「“ネットゥーノ”!」と答えるでしょう。
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