「異色のスポーツSUV」が誇る“躍動的デザイン”を生んだ原動力とは? トヨタ「クラウン」の新たな個性「クラウン・スポーツ」の魅力を体感
「クラウン・スポーツ」は新しいカタチのスポーツSUV
“割り切り”が生んだスポーツSUVの秀作……トヨタ「クラウン・スポーツ」に試乗して、そうした思いを強くしました。

「クラウン」は1955年に誕生。初代は日本の技術だけで生み出された初の国産車でした。以来、日本を代表するモデルとして半世紀以上の歴史を刻んできたクラウンですが、現行モデルでは大胆な改革を断行しました。近年はセダンのみのラインナップだったのに対し、現行モデルはSUVを中心とする4車型でシリーズを構成することになったのです。
2022年、シリーズの先陣を切ってリフトアップセダンの「クラウン・クロスオーバー」が登場。続いて2023年秋には、正統派の「クラウン・セダン」とスポーツSUVのクラウン・スポーツが発売されました。そして2023年度内には、ステーションワゴンとSUVの美点をミックスした「クラウン・エステート」もラインナップに加わる予定です。
セダン以外の3モデルはSUV要素が強く、従来のクラウンを愛する人々には斬新すぎるかもしれません。それは見た目からも明らかです。しかし、「変えなければ、チャレンジしなければ、クラウンは時代に取り残されてしまう」。そんな焦りが開発陣を始めとするトヨタ社内にあったからこそ、クラウンは大胆な変化を選んだのでしょう。
なかでも今回フォーカスするクラウン・スポーツは、トヨタ自身が「新しいカタチのスポーツSUV」とうたう、従来のクラウンでは全く考えられなかった異色の存在です。クラウンのスポーツモデルといえば、かつては「アスリート」というのが定番でしたが、セダンではなくハッチバックで、しかもSUVカテゴリーに属すクラウン・スポーツは、ルックスもポジショニングもクラウンとしては新鮮です。
クラウン・スポーツのメカニズムは、FF系の“GA-Kプラットフォーム”に、2.5リッター自然吸気エンジンを核とするハイブリッドとPHEV(プラグインハイブリッド)の組み合わせ。駆動方式は、後輪をモーターで駆動する電気式4WDが設定されています。スタイリングだけでなくメカニズムも、従来のクラウンでは考えられなかったものとなっています。
そんなクラウン・スポーツにおいて“割り切り”の美学を感じられるのは、なんといってもデザインとパッケージングです。
セダンのようにトランクスペースが独立していない、ロングノーズ&ショートデッキのスタイルは、まるでスポーツカーのよう。実際は、全長4720mmと決して小さいクルマではないのですが、「ラゲッジスペースの広さは求めない」という割り切りがカッコいいフォルムを具現しています。クルマ全体がギュッと締まって見え、軽快な走りを予感させるのです。
特にリアから見ると、後方へいくに連れてキャビンスペースが絞り込まれているのが分かります。これは居住性にとってはマイナスですが、フェンダーの張り出しが強調され、エモーショナルで躍動感のあるスタイリングとなっています。まさにスポーツというネーミングから連想されるとおりのイメージです。
居住性や実用性を第一に考えるなら、ここまで大胆なルックスにはできません。ではなぜ、クラウン・スポーツはこれほどまでに割り切ることができたのでしょう?
ひと言でいえば、「全方位的な性能をねらっていないから」です。「キャビンはとにかく広く」とか、「ラゲッジスペースはクラス最大級」といった要素をあきらめたからこそ行き着いたカタチといえます。
先述したように、現行クラウンは4つのシリーズを展開していますが、もしもラゲッジスペースの広さを求めるのであれば、スポーツ以外にもセダンやクロスオーバー、さらには今後登場するエステートという選択肢があります。キャビンの広さも同様。シリーズ内にキャラクターの異なるモデルが存在することで、クラウン・スポーツはある程度、実用性を割り切ることができたのです。
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