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ポルシェ新型「タイカン」はどう進化? 1100馬力超の史上最強“市販車ポルシェ”「タイカン・ターボGT」の乗り味とは

ポルシェは「人間が操るためのクルマを作っている」

 先に試乗したタイカン・ターボは、動き出しがスムーズなサスペンションが路面の凹凸を巧みに吸収して、実に心地いい乗り心地を実現していました。

ポルシェ新型「タイカン・ターボGTヴァイザッハ・パッケージ」
ポルシェ新型「タイカン・ターボGTヴァイザッハ・パッケージ」

 実は、ポルシェは今回のマイナーチェンジに先立ち、およそ2年前に年次改良を実施していますが、乗り心地の方向性が変わったのはこのときからだと私は捉えています。

 というのも、デビュー当時はやや突っ張った足回りでしなやかさに欠けていたのに対し、年次改良型はそれよりもはるかに柔軟で、快適な乗り心地に仕上がっていたからです。

 こうした足回りの改良は、乗り心地にくわえてコーナリング面でも好ましい変化をもたらしていました。

 スポーツカーというと、なんとなく足回りは硬ければ硬いほどコーナリング性能は高くなると思いがちです。

 たしかに、ボディの傾きを抑えるハードなサスペンションはコーナリング性能を高めるのには有効ですが、ブレーキングやコーナリングに伴ってピッチやロールといった「クルマの傾き」がある程度はわかったほうが、いまどの程度の荷重がかかっていて、タイヤがどんな状態になっているのかをドライバーが推測しやすく、それだけ無理なく安全にコーナリングするのに役立つと私は考えています。

 おかげで、タイカン・ターボでワインディングロードを走った際にも、ひとつめのコーナーから自信を持ってアプローチすることができました。この傾向は年次改良型と同じもので、2019年のデビュー当時には感じ得なかったものです。

 こうした足回りの思想は、ヴァイザッハ・パッケージにも生かされていました。

 もちろん、そのサスペンションの設定はタイカン・ターボよりもはるかにハードなはずですが、それでもコーナリングでは自然なロールを披露。タイヤが滑り始めるスキール音とともに、タイヤ・グリップの限界が近づいてきたことが事前に掴めるので、安心してサーキット走行を満喫できました。

※ ※ ※

 サーキット試乗を終えたとき、ポルシェの開発ドライバーであるラース・ケーン氏に「このクルマはコーナリングの様子がよくわかるので操りやすい」と私が伝えると、「そのとおり。なぜなら、私たちはコンピューターが操るクルマではなく、人間が操るためのクルマを作っているのだから」とケーンは答えてくれました。

 彼のこのコメントに、ポルシェのクルマ作りの真髄が込められているように私には思えました。

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「カチッ」と日常をオフに。至福の時を刻む、マインドフルネス

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