「ポルシェ911の強敵」公道での印象は? メルセデス最速の「超高性能2ドア」は美しさも魅力的! AMG「GTクーペ」はまさに刺激の塊
アイドリングでもパワーユニットの息吹を感じさせる
そんな「GTクーペ」が搭載するエンジンは、4リッターのV8ガソリンツインターボ。最高出力は585psで、もはやその怒涛のパワーを公道で味わい尽くすことは不可能です。

とはいえ、公道で乗る意味が全くないかといえば、決してそんなことはないと筆者は思います。
わき出るような厚いトルクや心地よいビート感は、アクセルペダルをゆっくり踏み込んだときにこそ味わえますし、高速道路などで炸裂するパワーはまさに刺激の塊。どんなシーンでも気分を高揚させてくれるからです。
メルセデスAMGは音やエンジンのフィーリングといったつくり込みがとても巧みで、エンジンを始動させる瞬間に始まり、アイドリングでもパワーユニットの息吹を感じさせる演出はお見事です。
しかも新型「GTクーペ」は、先代の後輪駆動から4WDへと駆動方式を一新しました。後輪駆動がベースで、必要に応じてフロントへとトルクを送る方式で、日産「GT-R」に採用されているものと同じ考えといえるでしょう。
新型「GTクーペ」のそれは、ハイパワーをしっかり受け止めると同時に、限界領域で車体の姿勢を安定させるためでもあるのですが、注目したいのはそのシステム内容。モードを切り替えることで、フロントの駆動系をカットして完全なる後輪駆動車とすることもできるのです。新型「GTクーペ」
もちろん、後輪駆動にした上でスタビリティコントールをオフにすれば、大パワーを完全に吸収できず、後輪はいとも簡単にスリップします。パワースライドやドリフト状態になるので、腕に覚えのあるドライバーなら自由自在に振り回せる一方、それなりのテクニックの持ち主ではなければ手に負えないことでしょう。
しかし、ドライバーのそうした求めに対して、クルマ側がきちんと応えてくれるのは好印象です。
また、ドライブしていると、コーナリング時にスッとノーズが内側に入り、車体後部がクルッと向きを変えるような感覚があるのも「GTクーペ」の特徴です。大きく重い車体とは思えない軽快感を得られることに驚きます。
これは、4WDメカと同様、新型で初搭載された後輪ステア機構の効果。リアタイヤが最大2.5度ステアするのですが、さすがメルセデスAMGだなと感心させられるのは、その効果が分かりやすいくらい過剰な演出ではなく、存在を主張しすぎない味つけになっていることです。まさに絶妙な味つけなのです。
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メルセデスAMG「GTクーペ」は、もちろんニュルブルクリンク北コースなどのサーキットを速く走ることができます。
けれど、クルマ好きとして実車に接して思ったのは「自宅ガレージにこんなモデルが収まっていると、幸せな日々を送れるだろうな」ということ。速く走らなくてもドライビングの充実度が高く、刺激的だからです。
このクラスの定番といえば、なんといってもポルシェ「911」(「GTクーペ」の直接的なライバルはターボ系)ですが、美しいロングノーズの超高性能スポーツカーである「GTクーペ」も、この先、魅力的な選択肢となりそうです。
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