EV業界の新勢力!? 日産との関係にも注目されている台湾の大手電子機器メーカー「ホンハイ(鴻海精密工業)」とは
ホンハイが描くEV開発の未来
台湾のホンハイ(鴻海精密工業)は、世界最大の電子機器受託製造企業として知られていますが、近年はEV(電気自動車)分野への進出を加速させています。今後、日産との関係にも注目が集まるホンハイのEV戦略とはどのようなものなのでしょうか。

ホンハイはアップルのiPhone製造で培った生産技術やサプライチェーン管理の強みを活かし、自動車業界のゲームチェンジャーとなることを目指しています。
同社のEV戦略の柱となるのが、自社開発のEVプラットフォーム「MIH」です。これは、シャシやバッテリー、ソフトウェアを標準化することで、他社が容易にEVを開発できるようにするものです。このプラットフォームを活用することで、開発コストや時間を大幅に削減できるため、スタートアップから大手メーカーまで幅広い企業が参入しやすくなります。
また、ホンハイは台湾の自動車メーカーである「裕隆汽車(ユーロン)」と共同で「FOXTRON(フォックストロン)」ブランドを立ち上げEV開発にも取り組んでいます。2021年には「モデルC」「モデルE」「モデルT」という3つのコンセプトモデルを発表し、SUV、セダン、バスといった多様なカテゴリーで展開する計画を示しました。
ホンハイ初のEV SUVのモデルCは、高エネルギー効率と快適な室内空間を兼ね備えています。航続距離は約700kmとされ、高速充電機能も備えています。2023年12月から量産が開始され、トヨタ「RAV4」や日産「エクストレイル」と同じセグメントSUVに分類されます。前後に230馬力(172kW)のモーターを搭載し、0-100km/h加速は3.8秒を記録しています。現在は台湾市場でのみ販売されていますが、2025年末から米国市場で量産開始が決定しています。
モデルEは、プレミアムセダンとして設計され、高性能なパワートレインを搭載しています。0-100km/h加速は3秒台とされ、ラグジュアリーなインテリアや最新のコネクティッド技術も特徴です。
モデルTは、都市部や長距離輸送に適した電動バスです。堅牢な構造と安全性能を備え、航続距離は最大400kmとされています。
さらに2022年に公開したBセグメントのクロスオーバーSUV「モデルB」は、モデルCと同じプラットフォームを使用し、デザインはイタリアのピニンファリーナと共同で作られています。航続距離は450kmを実現しています。また同時にピックアップトラック「モデルV」も公開。
2024年には、モデルB同様にピニンファリーナがデザインを担当したEVミニバン「モデルD」を公開しました。量産モデルでは、ZFシャーシモジュールが開発した、新プラットフォームを採用し、シートレイアウトは2+2+3の7人乗りとなります。
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ホンハイのEV事業は、従来の自動車業界とは異なるアプローチを取ることで注目されています。従来の自動車メーカーが一貫した生産体制を維持するのに対し、ホンハイは「EV版のEMS(電子機器製造受託サービス)」モデルを採用し、他社のEVを受託生産することで市場を拡大しています。この戦略が成功すれば、EV市場における新たなサプライチェーンの構築が進み、業界全体の構造が大きく変わる可能性があります。
今後の課題としては、EV市場の競争激化や技術革新のスピードへの対応が挙げられます。テスラやBYDなどの新興EVメーカー、伝統的な自動車メーカーとの競争に加え、バッテリー技術やソフトウェア開発の進展が鍵を握ります。ホンハイは、台湾や中国、米国などに拠点を持ち、世界規模での展開を進めていますが、今後の成長には市場ごとの規制や政策への適応も重要となります。
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