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プロポーションはまるでND型「ロードスター」!? 市販化が叶わなかった“幻”のフォルクスワーゲン「コンセプト・ブルースポーツ」とは

リアミッドに2リッターTDIエンジン+6速DSG搭載

 フォルクスワーゲンの軽量ミッドシップスポーツカー「コンセプト・ブルースポーツ(Concept BlueSport)」は、2009年のデトロイトモーターショーで発表されました。

 市販化の期待が高まったものの、最終的には実現せず“幻のコンセプトカー”となりました。

お洒落なオレンジ幌を採用したフォルクスワーゲン「コンセプト・ブルースポーツ」
お洒落なオレンジ幌を採用したフォルクスワーゲン「コンセプト・ブルースポーツ」

 コンセプト・ブルースポーツは、アルミニウムと高張力鋼を使用したコンパクトな2シーターロードスターで、車両重量は約1200kgに抑えられていました。ボディサイズは全長3990mm×全幅1750mm×全高1260mmと、現行のマツダND型「ロードスター」に近いプロポーションを持っています。ちなみにロードスターは全長3915mm×全幅1735mm×全高1235mmです。

 リアに搭載されていたのは2リッター直列4気筒TDIディーゼルエンジンで、最高出力180馬力、最大トルク350Nmを発生。トランスミッションは6速DSG(デュアルクラッチ)で、0-100km/h加速は6.6秒、最高速度は226km/hというスポーツカーらしい性能を誇っていました。ちなみに0-100km/h加速は、現行型トヨタ「GR86」が6.3秒、2015年のアバルト「124スパイダー」は6.8秒です。

 燃費性能も優れており、欧州複合モードで約20km/Lを実現するとされ、エコ志向のスポーツカーとしての魅力も備えていました。

 このコンセプトモデルはフォルクスワーゲン単独のプロジェクトではなく、ポルシェやアウディと共同開発するミッドシップ・スポーツカー・プロジェクトの一環として生まれました。同じプラットフォームを活用して、ポルシェは「550スパイダーの復刻版」、アウディは「R4」というモデルを開発する計画があり、フォルクスワーゲンのブルースポーツは、より手頃な価格で提供されるエントリー向けのモデルとして考えられていました。

 しかし、このプロジェクトは期待されながらも、最終的に市販化されることはありませんでした。その理由として、市場規模の問題があげられます。小型ミッドシップスポーツカー市場の需要が不透明だったことに加え、フォルクスワーゲングループ内での競合が影響しました。ポルシェやアウディとの関係性が複雑になり、ビジネス的な折り合いがつかなかったのです。

 また、2008年の金融危機の影響もあり、開発コストに見合う利益が見込めなかったことも市販化を見送った要因とされています。さらに、環境規制が厳しくなる中で、フォルクスワーゲンがより電動化にシフトしていったことも、このプロジェクトが消滅した背景にあるのかもしれません。

 こうした事情からコンセプト・ブルースポーツは幻の存在となりましたが、今でもファンの間で語り継がれるモデルです。シンプルかつ洗練されたデザイン、軽量なボディ、そして手頃な価格帯での登場が期待されていただけに、惜しまれる声は少なくありません。

 現在のフォルクスワーゲンではEVスポーツモデルの開発が進められており、将来的にこのコンセプトの理念が電動化の時代に復活する可能性もあるかもしれません。フォルクスワーゲンが再び手頃なスポーツカーを世に送り出す日を、多くのファンが待ち望んでいます。

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