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「静粛性と安定性と加速のスムーズさ」が格上! キャデラックの新ラグジュアリーカー「リリック」はSUVの域を超越した“理想的なセダンの進化形”

“電動ラグジュアリーSUV”だけど実は“理想的なセダンの進化形”かも

 キャデラックは“電動ラグジュアリーSUV”と紹介しているけれど、これは“理想的なセダンの進化形”ではないだろうか!? ついに日本へ上陸したキャデラック新型「リリック」をドライブし、細部をチェックして、そんなふうに感じました。

キャデラック新型「リリック」
キャデラック新型「リリック」

 アメリカの高級車ブランド・キャデラック初のBEV(電気自動車)である「リリック」の日本仕様は、チカラの入ったモデル。全車右ハンドルの上に95.7kWhもの大容量バッテリーを搭載して510kmの航続距離を実現。当然、急速充電は日本の“CHAdeMO”規格に対応します。それでいて価格(消費税込)は、1100万円としています。

 フロントに170kW/309Nm、リアに241kW/315Nmというモーターをそれぞれ搭載するデュアルモーター4WDで、システム最高出力は384kW(約522ps)、最大トルクは610Nmを発生します。停止状態から100km/hまでに要するタイムは5.5秒と、車両重量2580kgというヘビー級ながらかなりの俊足です。

 ボディは全長4995mm、全幅1985mmという堂々としたサイズで、全高も1640mmと高め。21インチタイヤを履き、3085mmと3mを超える超ロングホイールベースも、「リリック」の特徴のひとつに数えられるでしょう。

 筆者(工藤貴宏)がそんな「リリック」を“理想的なセダンの進化形”と感じたのはなぜか? それはパッケージングに要因があります。

 21インチのタイヤ&ホイールを履き、一般的なセダンと比べると背の高い「リリック」のプロポーションはクロスオーバーSUVのよう。しかし、一般的なクロスオーバーSUVとは異なり、「リリック」はオフロード性能を考えて最低地上高を高めているわけではありません。実は「リリック」がこのパッケージングを採用したそもそもの理由は、SUVがトレンドになっているから、などではなく、快適性を追求するためだったといいます。

 その方向性は、例えば、SUV風スタイルを採用したトヨタ「センチュリー」と同じ。乗り降りのしやすさを考慮すれば全高は高い方がいいですし、キャビンスペースも広くとれるので乗員がより快適に移動できる、という理屈なのです。

 キャデラックということでフォーマルな場にも用いられるであろう「リリック」は、オーナーがリアシートに座るショーファードリブンの用途に使われることでしょう。そんなとき、「いかに快適に乗り降りできるか」、「どれだけ快適に座れるか」といった要素は極めて重要。「リリック」の背の高いプロポーションは、乗員の快適性を高めるには最適なパッケージングであり、そうした点に筆者は“理想的なセダンの進化形”を見たのです。

キャデラック新型「リリック」
キャデラック新型「リリック」

 実際、長いホイールベースと高い位置に配されたルーフのおかげで、「リリック」のリアシートはとても広々としています。

 もちろん、巨大なSUVやミニバンのそれにはかなわないものの、セダンから派生したクロスオーバーSUVでこれだけの広さを確保していることは特筆すべきことでしょう。

 リアシートに座ってみると、空間的な余裕があることに加え、クッションのやわらかさと沈み込む感じが心地よく、絶品の快適性を体感することができます。

 そんな「リリック」のスタイリングで印象的なのは、こうした次世代のパッケージングだけではありません。例えば、大きなフロントグリル(BEVなので実際に穴は開いていませんが)の左右に配されたヘッドライトは、最新のキャデラック車の特徴である“縦型”をひときわ強調したもの。垂直にLEDを並ぶライトデザインは、ひと目でキャデラック車だと分かる強烈な個性を放ちます。

 一方、フロントのウインカーは縦ではなく水平方向に延びています。グリルに描かれた鋭いラインの処理と合わせ、先進性を感じさせる尖った意匠です。

 リアセクションでは、リアピラーからリアウインドウ下のウインカー部まで、“光るライン”がつながるのが斬新。加えて、バンパーのエッジに“縦型”に組み込まれるブレーキランプが強烈な個性を放ちます。

 それらは、今後のキャデラックのデザインを先取りしたものであると同時に、1967年式のキャデラック「エルドラード」に採用されていたテールフィンをオマージュしたものなのだとか。大柄なボディと相まって、圧倒的な存在感を醸し出しています。

 一方、インテリアに目を向けると、33インチという大きな横長のメーターパネルとセンターディスプレイが目に飛び込んできますが、こちらも1967年式の「エルドラード」が採用していた、左右に長いメーターを思わせるもの。

 このように「リリック」は、随所に“新しいけれどヘリテージ”なデザインを散りばめているのです。

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