「静粛性と安定性と加速のスムーズさ」が格上! キャデラックの新ラグジュアリーカー「リリック」はSUVの域を超越した“理想的なセダンの進化形”
圧倒的な静粛性と素直なハンドリングに驚く
そんな「リリック」を、今回、正式発表前にクローズドコースで試乗することができました。わずかな時間のドライブでしたが、筆者はこのモデルが秘めた3つの美点を感じとることができました。

ひとつ目の美点は、抜群の静粛性。エンジンを搭載していないBEVなので静かなのは当然ながら、移動中の車内はそれだけでは片づけられない静けさであふれていたのです。
いうなれば、移動しているのに動いているとは思えないほどの静けさ。単にエンジン音がなくなったことによる静けさではなく、タイヤノイズすらも耳に届いてこないことに驚きました。
その理由はいくつか考えられますが、大きいのは窓ガラス。フロントだけでなくドアのガラスも二重ガラスとなっているほか、リアウインドウには遮音性向上のために5mm厚のものを採用。窓から伝わってくる音を徹底的に遮っているのです。
静粛性向上のための工夫は、車体そのものにも及んでいます。トリムの裏側などに吸音材を惜しみなく貼るなど徹底した吸音&遮音処理を施しています。
さらにタイヤにも秘密が。“セルフシーリング”と呼ばれるタイプを採用しており、パンク時には内部に注がれている半液体素材が穴を塞ぎ、空気がもれるのを防ぐ構造となっています。実はその仕掛けが、路面のつぎ目を超える際のノイズを減らすのに有効なのだといいます。
加えて、電子的なノイズキャンセリングシステム(スピーカーからノイズと逆位相の音を出して騒音を打ち消す仕組み)も、これまで以上の効果を持つ進化版に。“次世代アクティブノイズキャンセレーション”と呼ばれるこれは、従来のようにエンジンノイズだけに反応するのではなく、キャビン内に複数設けられたマイクを総合的に活用。3軸加速度センサーでタイヤからの振動までも検知してキャビンのノイズを低減するため、効果がより一層アップしているのだそうです。
ふたつ目の美点は、挙動とハンドリングの安定感。試乗コースはサーキットだったことから、当然、一般道に比べて速いペースでの走りも試すことができましたが、コーナリング時はどっしりと構えているかのようでした。
2.5トンを超える重量級にもかかわらず、イヤなふらつきは皆無。コーナリング時の姿勢も安定しています。これほど素直に曲がってくれるなんて驚きです。重いバッテリーをフロア下に置くことで実現した低重心はもちろんのこと、50:50に近い重量配分もこうした挙動に効いているのでしょう。

そして3つ目の美点が、パワーの立ち上がる際の気持ちよさ。システム最高出力は522psもあるので、モーターのトルクが急激に立ち上がる鋭い反応を示しながら、一気に加速していくのも当然です。
しかし、アクセル操作に対する加速感は、ひと昔前までのハイパワーBEVとは一線を画すもの。少し前のハイパワーBEVは、アクセルペダルを深く踏み込むと「ドン!」と背中を蹴飛ばされたかのように唐突に加速していく印象がありました。
しかし「リリック」はそうした乱暴な乗り味ではなく、あくまでスムーズに加速力が立ち上がり、エンジンを高回転域まで回していったような“伸び感”があるのです。高級車ブランドの高性能BEVは、新たなフェーズに入ったことを「リリック」の走り味で改めて実感させられました。
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ゼネラルモーターズの最高峰ブランドであるキャデラックは、アメリカの大統領専用車として使われるブランドでもあります。大統領専用車にはフォードの高級ブランド・リンカーンが使われていたこともありますが、ここ30年ほどはキャデラックが続けて選ばれています。
今回上陸した「リリック」は、そんな由緒あるブランドにとって初のBEVであると同時に、キャデラックの歴史の新たなページを開く象徴的なモデルとなるでしょう。
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