コンパクトボディに魅力がギッチリ!? 日本正規輸入が叶わなかった“幻の高性能コンパクトクーペ”BMW「1シリーズMクーペ」とは
E82型「1シリーズ・クーペ」の最強モデル
BMWの高性能コンパクトクーペ「1シリーズMクーペ」は、2011年1月に開催されたデトロイトショーで正式にデビューしました。その後、ドイツ本国を皮切りに限定生産されましたが、日本市場へは正規輸入されず、国内では一部の並行輸入車を除いて非常に希少な存在となっています。

BMW M社が手がけた1シリーズMクーペは、E82型「1シリーズ・クーペ」をベースに専用チューニングが施され、Mモデルならではの走行性能を備えていました。
ボディサイズは全長4380mm×全幅1803mm×全高1420mm、ホイールベースは2660mmと、比較的コンパクトながらワイドなスタンスを持つのが特徴です。ちなみに「135iクーペ」に比べて53mmも幅広くなっており、車両重量は1495kgです。
搭載されるエンジンは、N54型の3リッター直列6気筒ツインターボで、最高出力340馬力/5900rpm、最大トルクはオーバーブースト時に500Nm/1500-4500rpmを発生。低回転域から豊かなトルクを発揮し、0-100km/h加速は約4.9秒と、当時のE92型「M3」にも匹敵する加速性能を誇りました。トランスミッションは6速MTのみの設定で、ダイレクトな操作感が楽しめるのも魅力のひとつです。
そんな魅力的な1シリーズMクーペが日本に正規導入されなかった理由はいくつかあります。まず、大きな要因として挙げられるのが「左ハンドルのみの設定」です。BMWは市場ごとに需要を考慮し、特定のモデルで右ハンドル仕様を用意することがありますが、1シリーズMクーペは世界的に左ハンドルのみの生産で、日本向けに右ハンドルを開発することはありませんでした。
次に、生産台数が極めて少なかったことも影響しています。もともと限られた市場向けの特別なモデルであったため、右ハンドル仕様を新たに生産するコストや手間をかけるのが難しかったと考えられます。また、当時のBMWジャパンの販売戦略として、より幅広いユーザーに向けたM3やMスポーツパッケージ付きの通常モデルに注力していたため、1シリーズMクーペの導入は見送られた可能性が高いです。
こうした理由から、日本市場では正規導入されることがなく、現在国内に存在する個体は並行輸入車のみとなっています。それゆえに希少性は非常に高く、中古市場でもなかなか出回ることはありません。コンパクトながら本格的なMモデルとしての走行性能を持ち、今後さらに価値が高まる可能性のある一台と言えるでしょう。
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