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“究極のポルシェ”964型911がオークションに登場 180kgの軽量化を実現した世界86台限定・32年前の「ライトウェイト」とは

ベース車より180kgも軽量化した、究極のタイプ964

 米国フロリダ州コーラルゲーブルズで2025年2月に開催されたRMサザビーズのオークションに、1993年型のポルシェ911ターボS「ライトウエイト」が登場しました。

オークションに出品された1993年式ポルシェ「911ターボS ライトウエイト」Simon Hamelius(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品された1993年式ポルシェ「911ターボS ライトウエイト」Simon Hamelius(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's

 1990年代初頭、ポルシェは業績不振にあえいでいました。財務強化のためには、エキサイティングなニューモデルを市場に投入する必要がありました

 そこで当時のポルシェ911、つまりタイプ964と呼ばれる「911ターボ3.3」のスペシャルモデルが開発されました。

 1992年にIMSAスーパーカー選手権で優勝したレーシングカーをベースにした軽量構造モデルは、非常に限られた台数しか生産されませんでした。

 ノーマルではフロントフォグランプがあった場所にブレーキ冷却用インテークを備え、リアスポイラーを変更し、18インチのスピードライン製3ピースホイールに赤いブレーキキャリパーを装着しました。

 さらにグラスファイバー強化カーボンコンポジットのパネル、薄型ガラス、消音材の削減、ドアカードの簡素化などにより、この「ライトウエイト」は397ポンド(約180kg)という驚異的な軽量化を実現しました。

 シャシはシーム溶接で補強され、新しい合金製ストラットブレースがフロントの剛性を高め、スポーツサスペンションも装着して車高は40mm下げられました。

 このライトウエイトは1993年モデルとして、1992年7月から11月にかけて86台が生産されました。

 3.3リッターのフラット6エンジンには、ハイカムシャフトや大容量の燃料インジェクター、より効率的なKKK製ターボチャージャーが採用されました。

 こうした改良で、最高出力は61psアップの381psを発生しました。

 これにゲトラグ製の5速MTが組み合わされ、0‐62mph(約99km/h)加速は4.7秒、最高速度は180mph(約288km/h)というパフォーマンスを発揮しました。

 しかも、フラッグシップ スーパーカーの959から継承したリアクオーターのベントがエンジンルームの冷却に効果的でした。

ま た、赤いインタークーラーハウジングとエアフィルターユニットが、当時最も過激な911ターボであることを一目で認識させました。

※ ※ ※

 今回出品された個体は初期型で、1992年7月に新車で納車されました。

 ボディカラーは特注色と思われるポーラーシルバーメタリックで、インテリアはブラックレザーです。

 エアコンやエアバッグ、パワステまで装備していない、このもっとも軽い「ライトウエイト」の生産台数はわずか14台と言われています。

 このクルマをドイツで最初に所有したのは、テニス シングルスのメジャータイトルを22回獲得したシュテフィ・グラフ選手の父親だったそうです。その後、日本やスウェーデンのオーナーに渡り、2021年にはドイツでレストアなどが施されました。

 3.3Lのフラット6ターボエンジンと5速MTはオリジナルのもので、内外装も美しいまま。今回のカタログ掲載時の走行距離は、4万6946kmです。

 この1993年型のポルシェ911ターボS「ライトウエイト」、オークションでの予想落札価格は80万ドルから100万ドル(日本円で1億2070万円から1億5088万円)とされていましたが、落札されませんでした。

Gallery 【画像】走行距離5万km以下の極上の逸品! 1993年型の「究極のポルシェ」を写真で見る(32枚)
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