久々に登場「ドゥカティの単気筒」はビュンビュン回る高回転型! 異端の存在「ハイパーモタード698モノ」は強烈な走りがインパクト大
ドゥカティらしい個性を備えた異端のモタード
ドゥカティといえば、シリンダーをL字型に配置したV型2気筒エンジンを思い浮かべるファンが多いことでしょう。しかし、2024年9月に上陸した「ハイパーモタード698モノ」は単気筒エンジンを搭載。ドゥカティとしては久しぶりの単気筒エンジンモデルとなります。

ドゥカティ「ハイパーモタード」シリーズは、その名のとおり“モタード”にカテゴライズされるバイクです。
オフロードバイクに17インチのオンロードタイヤを履かせた構造が基本となる同カテゴリーですが、「ハイパーモタード」シリーズには基準となるオフロードモデルが存在しません。いわば“異端”のモタードなのです。
とはいえ、新たに加わった「ハイパーモタード698モノ」は、モタードモデルの文脈に沿った正攻法の車体構成となっています。
前後のサスペンションはオフロードモデル級のストロークを確保しており、アップタイプのフェンダーを装備。前後に長いフラットなシートもオフ車ゆずりに見えます。
フレームは、ドゥカティ得意の鋼管パイプを組み合わせたトレリス構造で、ホイールはスポークタイプではなくキャスト構造を採用。
さらに、単気筒エンジンを搭載するにも関わらずマフラーはかなり存在感のある2本出しとなるなど、ドゥカティらしい“タダモノではない”感が随所に見られます。
そんな中で注目したいのが、やはりエンジン。“スーパークアドロ・モノ”と呼ばれる新開発の単気筒ユニットは、ボア116mm、ストローク62.4mmという超ショートストローク型。
ドゥカティが得意とする“デスモドロミック”でバルブを駆動させ、レブリミットは1万250rpmとビッグシングルとは思えない高回転型となっています。
最高出力は77.5ps/9750rpmですが、レーシングタイプのエキゾーストを装着することで84.5psまでアップさせることが可能。
振動を軽減するために、2本のバランス・カウンターシャフトをクランクケース内に配置しているのも特徴です。
●官能的な吹け上がりを体験できる“スーパークアドロ・モノ”
「ハイパーモタード698モノ」は、実際にまたがってみても既存のモタードモデルとは一線を画すバイクであることが伝わってきます。
通常、オフロードモデルをベースとするモタードは、乗車するとストロークの長いサスペンションが沈み込みますが、「ハイパーモタード698モノ」は乗っただけではあまりストロークしません。
サスペンションセッティングがロードモデルに近い硬めの設定となっているので、乗ってもシート位置があまり下がらず、足つき性はさほど良好とはいえません。
そのため、走り出しても腰高な印象ですが、サスペンション自体の動きはいいのですぐに気にならなくなりました。
ハンドリングは俊敏ですが懐の深さも併せ持っていて、オフロードバイクのように、シートの外側の角に座って内側の足を出す、といった走り方もできますし、シートの後ろに座ってハングオンのような乗り方をしても、安定したコーナリングが可能です。前後に長いシートはこのためにあるのでは? と感じます。
そしてアクセルを軽くひねれば、超ショートストロークのエンジンはあっという間にレブリミットまで吹け上がります。
他のビッグシングルのように太いトルクで車体を押し出すのではなく、回転で車体を引っ張る印象。このエンジンに151kgという軽い車体の組み合わせが楽しくないわけはありません。
ドゥカティは1990年代に、「スーパーモノ」という単気筒のレーシングマシンを走らせていましたが、このエンジンはLツインの前側気筒のみを残したようなつくりでした。
「ハイパーモタード698モノ」に搭載される。“スーパークアドロ・モノ”はその逆で、直立した後ろ側の気筒を残したようなつくり。ですが、「『スーパーモノ』のフィーリングはこんな感じだったのかも?」と思わせてくれる吹け上がりでした。
モタードバイクとしては異色の存在ながら、高い運動性能を備えた「ハイパーモタード698モノ」。“スーパークアドロ・モノ”と軽量な車体の組み合わせは、タイトなワインディングなどで本領を発揮しそうです。
スーパースポーツの前傾姿勢が厳しくなってきたベテランライダーにとっては、新たなスポーツライディングの扉を開いてくれるバイクとなりそうです。
●製品仕様
・価格(消費税込):177万8000円
・ホイールベース:1443mm
・シート高:864mm
・重量:151kg(燃料なし)
・総排気量:659cc
・エンジン:水冷単気筒DOHC4バルブ
・最高出力:77.5ps/9750rpm
・最大トルク:63Nm/8000rpm
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