夢に一歩近づいた!「高速道路での手放し運転」も不安なし!! ホンダ「アコード」が採用した「移動を楽にするスゴいシステム」の真価とは
120km/hまで安定したハンズオフ走行を実現
人の欲望とは恐ろしいものですね。「クルマはステアリングを握って運転するもの」という、クルマの誕生以来100年以上続いてきた伝統すら、今、破壊しようとしているのですから……新たな全方位安全運転支援システム“ホンダセンシング360+”を搭載した「アコード e:HEV ホンダセンシング360+」を試乗して、改めてそう感じました。

“ホンダセンシング360+”の最大の注目は、高速道路においてステアリングから手を離したまま移動できるハンズオフ運転支援機能です。
実はここ日本では、ステアリングから手を離したまま移動できるクルマがすでに公道を多数走っています。「ドライバーは運転中、ステアリングを握らなくてはいけない」というのは、もはや常識ではないのです。
昨今のクルマ事情に詳しい人なら、それを可能にしているのがハンズオフ機能であることをご存じでしょう。高速道路限定という前提があるにせよ、多くの人にとってステアリングから手を離したまま移動できることは、夢の世界ではないでしょうか。
でも、はっきりさせておきたいのは、ハンズオフ機能による手放し運転と、自動運転は同じではないということ。手放し運転は、ドライバーがステアリングやアクセルを操作する必要こそないものの、あくまでシステムは“運転補助”機能であり、運転する主体はドライバーです。そのため、常に周囲の状況を確認し、必要に応じて操作をおこなわなければなりません。走行中にスマホを見るのも、動画を観るのもNGです。
対する自動運転は、ドライバーではなくクルマが主体。そのため、ドライバーは周囲に気を配る必要がなく、スマホをチェックしたり、動画を観たりするのもOKです。ちなみにホンダは、高速道路の渋滞限定ではあるものの、世界で初めて自動運転機能を搭載した「レジェンド」を2021年に市販しています。
このように、手放し運転と自動運転の間には明確な違いがあるけれど、実際にハンズオフ機能を体験してみると「未来が来たなぁ」と気持ちが高ぶるのは筆者(工藤貴宏)だけではないでしょう。まさかステアリングを握らずにクルマを走らせられる日が来るなんて、夢のようじゃないですか。
そんなハンズオフ機能のメリットは、実際に体験してみるとすぐ分かります。とにかく疲れないのです。なかでも渋滞時は“精神的な疲れ”が全く違います。人がどれだけなまけ者であるかは、一度でもハンズオフ機能を体験してしまうと、なかなか普通のクルマには戻れないことからもうかがえます。
しかも、ハンズオフ機能がもたらしてくれるのは、リラックスや疲労度の軽減だけではありません。人のドライビングミスによる事故を防ぐこともできるのです。
はっきりいって、ドライバーにミスはつきものです。だって人間なのですから。悲しいかな、人はミスをする生き物です。しかし、クルマに運転をある程度まかせることができれば、事故のリスクがゼロとまではいわないものの、生身の人間が運転するよりも確率は低くなります。そういった安全性の面からも重要度は高いのです。ハンズオフ機能は人を楽にしてくれると同時に、安全性を高めるものでもあるわけです。
話をホンダ「アコード」に追加された“ホンダセンシング360+”に戻しましょう。その最大の注目は、高速道路においてステアリングから手を離したまま移動できるハンズオフ機能であることは先述したとおりです。
ちなみに、これまでに実用化されているハンズオフ機能には、ふたつのタイプがあります。ひとつは「高速道路上の渋滞時のみ利用可能なタイプ」で、上限速度が40〜60km/hと低いもの。もうひとつは「渋滞していなくても、高速道路上でのすべての車速で利用可能なタイプ」です。
“ホンダセンシング360+”はもちろん後者。渋滞中を含め、日本の高速道路における最高速度である120km/hまでのハンズオフ機能に対応し、ドライバーのステアリング(とアクセル)操作なしに走らせることができます。
メカニズム面では、レーダーやカメラを多く搭載し、路面に引かれた白線などまで細かくデータ化された高精度地図(通信によって頻繁にアップデートされる)まで搭載しているのがポイントです。
そんな高度なシステムだけに「使うのは難しいのでは?」と考える人もいるかもしれません。しかし、そんな心配は不要。実に簡単に、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)と変わらないレベルで操作できます。
なかでも注目したいのは、“ホンダセンシング360+”を起動させるために必要な「設定作業」が、ACCとなんら変わらないことでしょう。
メインスイッチをオンにし、希望する車速になったら車速設定ボタンを押すだけ。たったそれだけの操作で設定は完了です。あとは周囲の状況などからクルマ側が判断し、ステアリングに組み込まれたインジケーターが青く光ったら「ハンズオフOK」のサイン。そっとステアリングから手を離すだけで、手放し運転が可能になります。
このように、利用するまでに必要な操作は至ってシンプル。信じられないほどあっけなく、ハンズオフドライブが始まるのです。
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